
参加者に任意でいただいた読書感想を掲載します。13日(火/午前)は2名、18日(日/午前)は6名、18日(日/夜)は3名の参加でした(主催者含む)。
日曜日の「質問「 」について考える時間。」の質問はこちらでした。
影を邪魔だと思ったことはありますか
田中未知著『質問』(文藝春秋)
5月13日(火/午前):読みたい本を気ままに読む読書会
よしださん『日本国民をつくった教育 寺子屋からGHQの占領教育政策まで』沖田行司
江戸時代の教育は、武士の特に長男などは義務教育的に藩校に何年とか入らなければいけなかったものの、それ以外の身分の者はそうでもなかったようです。義務教育がある今とは違うということです。そうなったときに寺子屋には別に行っても行かなくてもいいし、学習達成目標も特に義務のものはないわけです。
松下村塾や適塾などの私塾も同様です。行っても行かなくもいい。私塾は入ったからには厳正な階級性などをしいていたところもあるようだけど、それもある意味では本人の自由。途中でやめても良かったのではないかと思います。
今と比べてどっちが良かったかと言われると難しいところですが、とはいえ義務だと言われなければ勉強しなそうだし、勉強して知識をつけなければ考えることもできない。そうなると、いいように使われるだけの存在になってしまうかもしれない。そんなことも思いました。
だけど、多額のお金を払わなくても基本的なことを学べる寺子屋や、やる気さえあれば入れる私塾のようなものは貴重だなと思いました。思い立ったときに学ぶ場があるということは、とても大切なことのように思います。
5月18日(日/午前):質問「 」について考える時間
質問はこちらでした。
影を邪魔だと思ったことはありますか
田中未知著『質問』(文藝春秋)
yuさん
影を邪魔だと思ったことはありますか?でした。写真を撮影するときの影はすぐ思いつきました。探偵のかげ。あの人には影があると言うふうな影。黒いイメージです。
5月18日(日/午前):読みたい本を気ままに読む読書会
yuさん『エジプト人シヌへ』ミカ・ヴァルタリ
シヌへの物語は紀元前3500年前の古代エジプトが舞台です。シヌへは医者でその人の一生が描かれています。史実に登場する人物が散りばめられ、初めに回想なのでまだ生きている?人って変わらないんだなあと感じます。登場人物の直接的で長いセリフがたくさんありました。
よしださん『つながり 社会的ネットワークの驚くべき力』ニコラス・A・クリスタキス/ジェイムズ・H・ファウラー
人同士のネットワークは、名前を挙げられる友達同士とかそういうレベルではなくあって、感染症の蔓延とか流行とかそういうところで膨大なものであると感じられるはずです。
今回読んだところでおもしろかったのは、グラミン銀行は人のネットワークを担保にした融資の仕組みであるということ。通常の融資は、土地や建物を担保にしたり、勤務先で信用評価したりして貸し出しを決めます。しかし、途上国のそのような担保や信用がない人はどうすればいいのか。そういう人たちがお金を借りられないところに、少額でも融資する仕組みを作ったのがグラミン銀行です。
その担保は人のネットワーク。具体的には、5人のグループを作って、まずは2人に貸してその2人が返済できれば、次の2人に貸してというもの。連帯責任を想起させますが、その5人グループは自主的に作られるものみたいなので、その覚悟というか責任はあらかじめお互いにもっているはずです。そしてたぶん助け合いの関係にあるはず。
グラミン銀行の本は前に読んだことがありましたが、その本はその事業による成果とか社会問題に目が向けられたものでした。もちろん仕組みにも言及していましたが、今回のようにネットワークを担保にしたというところまでシャープな視点ではなかった。難しい問題でも、大きな視点の切り替えでソリューションにまで持っていけるというところに希望を見たような気がしました。
5月18日(日/夜):読みたい本を気ままに読む読書会
yuさん『イギリス人の患者』マイケル・オンダーチェ
イギリス人かどうかわからないくらい負傷した病人の過去の話。なぜ恋に落ちたのか。ねじまき鳥を読んでいる他の参加者が、記憶が改竄される話をしていて私もあるなあと思いました。昨日天気予報では大雨で実際は晴れて、今日昨日は雨だったと思い込んでいました。他の人と話すことでそれに気がつきました。
過去の読書感想はこちらに載せています。
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