2019.12.28

今年を振り返って。

 今年の9月14日にリベルをオープンして、約3ヶ月半が経ちました。
 縄文時代の生活から人類にとって定住は当たり前なのかを考えてみたり、生物進化の歴史から会社や地域生活のあり方を考えてみたり、イギリスの君主制の歴史から象徴や権威の役割は何なのかを考えてみたり。
 なかでも印象深いのは、一番最初のブックレット『サンゴの選択』でしょうか。原始的な生物であるサンゴが、貧栄養な熱帯の海洋で、なぜあれほど豊かなサンゴ礁の世界を創ることができているのか、そのメカニズムに迫りました。小さな力でも「共生」という方法をとることで、一つの世界を創ることができることを学びました。

 もちろんこれらは、各専門の先生方が持っている視点に、リベルでほんの少しのテーマ設定と編集を加えて出来上がったもので、リベルが独自で考え出したことではありません。
 先生にお会いするときは研究室に伺うことが多いですが、そこで話していると、先生方は世界の見え方が違うのだろうなと感じます。1年の大半を縄文時代や生態系のことを考えて過ごしていれば、その世界に没入し、その世界から現代社会を見ているような形になるのではないかということです。よく、留学や駐在などで海外に長期滞在すると、日本の見え方が変わり再発見があるという話を聞きますが、それと同じ原理なのではないかと感じています。

 そのような視点で世の中や物事を見ていくと、違和感程度だったことが明確な課題として見えてきたり、全然つながりを見い出せなかったものがつながったり、逆に課題や悩みだと感じていたものが実はそうでもなかったりと、人生や仕事につながるような発見が得られるのではないかと考えています。
 リベルでやろうとしていることは、私たちとは異なる視座に立つ先生の視点や物事の見方を、人生や仕事に活きるように、つなげていくことだと改めて思いました。それによって、長く続く人生をより楽しく、快活に、充実したものにできるよう少しでも寄与できたらと思っています。

 リベルでは正解や結論のようなものを出すことはできません。
 何か一つを学べば次の疑問が湧いてきますし、テーマに対する答えも、人それぞれの感性や置かれている状況によって変わってくると考えているからです。また、先生方が身を置いている世界も、私たちが生きる世界とは、つながっているけれども遠いこともあり、そこを無理やり近づけると正しくないものになってしまう可能性があるからです。
 すこしじれったい感じやモヤモヤ感を感じることもあるかもしれませんが、それはリベルも同じです。ただ、長く続く人生、広く深いであろう世界や地球だから、いろいろな視点を得て、すこしずつ自分のものにして、より良い私たちの未来につなげていけたらと思っています。

 今年はリベルのブックレットサイトのスタートの他に、リベル会というご飯会(飲み会)の第一回を行いました。リベル会は来年からは毎月やりたいなと思っています。(たまに難しい話も出るのですが…)理解できるかどうかは問題ではなく、新たな興味関心やつながりが生まれる会になればいいなと思っています。
 また、リベル会#1に参加してくれた人を中心としてオンライングループも作りましたので、そちらでも何かできればと思っています。まだ、本当にただ作っただけですが、ご興味を持たれた方はご連絡ください。自由に考えられる場所、新たなつながりのきっかけが生まれる場所にできたらいいかなと思っています。あと、ひそかに各ブックレットの最後の方に、テーマ募集や質問や意見のフォームもつけていますので、こちらも何かありましたらお待ちしています。

 来年は、今年得た学びや新たな視点、出来たつながりから、また何かチャレンジしていきたいと思っています。
 今年もおつかれさまでした。来年もどうぞよろしくお願いします。

(吉田)

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