土曜日はミヒャエル・エンデ著『モモ』を主な題材とした読書会で、日曜日は読みたい本を気ままに読む読書会です。
読書会を始めた頃から、『モモ』を読んだことがある人が多いと感じていました。『モモ』とは、中世のゆったりとした仕事や生活のスタイルから、近代の裕福だけれどもどこか忙しいスタイルへと変化した時代背景を題材にした児童文学です。時間を効率的に、経済合理的に使っているのだけれど、なぜかどんどん時間がなくなっていくように感じてしまう、そんなことが要所で想起される物語です。子どもの頃に読んだことがある方も、大人になってから読み返してみるとまた違うことを感じるかもしれません。
そのような内容なので、一歩間違うと(?)、近代の批判へと終始してしまいそうになります。「社会は進歩していないのか。豊かになっているというのは錯覚なのか。」というような批判や虚しさです。世の中が本当に良くなっているのかどうかは難しい話だと思いますが、少なくとも今ここに生きる私たちは、そんな社会の中における本当の豊かな時間の使い方とはどういうものなのか考えていく必要はあるのではないかと思います。
そこで、いつも行っている感想のシェアに加えて、本の中で表現されている「時間を奪われている」とはどういうことだろうかと、改めて考えてみたいと思いました。時間とはみんなに平等にあり、今日も明日も物理的な時間は変わらないはずです。しかし『モモ』で表現されている近代のライフスタイルをみると、たしかに時間を奪われていると感じてしまいます。では、一体どういう状況にそう感じているのかということです。それが分かることで、自分なりの豊かな時間というものが見えてくるのではないかと期待しています。
今回は、『モモ』を読んだことがある人が多いということもあって、読書時間を30分程度と短めにしています。まだ読んだことがない人は事前に少し読んでいただいた方がいいかもしれませんし、当日出たとこ勝負で周りの話を聞きながら内容を把握し一緒に考えていってもいいと思います。
■今週末の読書会日程
・1/16(土) 10:00〜11:30 『モモ』から考える、時間を奪われるとはどういうことだろうか。
・1/17(日) 10:00〜11:30 読みたい本を気ままに読む読書会
詳細は以下のイベントページに記載していますのでご覧ください。
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ご質問などがあれば、こちらのフォームかイベントページ上のコメントなどでご連絡ください。
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それでは、お待ちしています。
(吉田)