リベルのブックレット『古代人の内面とデザイン 〜人間の心を動かしてきたもの〜』に関して投稿いただいた感想です。
※このブックレットは現在配信を停止しています。
大橋 弘宜さん(2020年9月27日)
「情報の縮減」というキーワードが最も気になりました。何か情報を整理する時に快楽物質が出るという話でした。本書自体は土器などのデザイン(心理や内面など)がどう変わっていくかというところがメインであったのですが、結局考えていくと、物事は分かりやすさで動くよりも、もっと適当というか偶然だったりで色々同時並行的に進んでいくんじゃないかなということを感じました。
さらにいえば、それは何かを取捨選択するとか、文明や時代が動く時も、ものすごく圧倒的な何かもあるんでしょうが、それよりはごく些細なことを同時多発的に似たタイミングで多くの人が動くと時代が変わるのかもしれないなあとかも思いました。
山川 欣伸さん(2020年9月27日)
印象に残った点は、読書会でも共有したのですが、「人は作り出すものに、デザインを盛り込まれずにはいられない」というところです。
日々の生活やコミュニケーション活動を総合芸術として、縄文土器に表現した。自然と共同体、デザインと機能性が、混然一体となったのが縄文土器の複雑さという話は、本当に新鮮でした。
また、動画やSNSなどを誰もが発信できるようになった現在でも、人は表現したいものや想いを発信し、受け手もそれを見て感じつながりあう文化圏ができています。確かに本書の言うように、縄文時代やラスコー壁画の時と同じように、人は総合芸術や表現をしないではいられない生き物なんだなぁと思いました。チンパンジーなどが使う道具(Tool)と、人間が創る物(Creative)の違いは、ここにあるのかも・・・と感じています。
つやまさん(2020年9月27日)
デザインを見るときに美しいかどうかということ以外あまり意識していなかったのですが、深い部分では人間の本能や価値観や社会制度に強く結び付いているという視点が得られとても勉強になりました。特に縄文時代とそれ以降では人間の世界の捉え方が大きく変化しそれが土器などのデザインに反映されているということで、人間の心の進化とそれに呼応するデザインの変化がとても興味深いと感じました。