1月2月は、テーマを「あいまいさ」においた読書会を隔週で開いていきたいと思っています。ここでは参加者に任意でいただいた読書感想を載せていきます。
〈読書会について〉
事前読書のいらない、その場で読んで感想をシェアするスタイルの読書会を開いています。事前申込をあまり求めない、出入り自由な雰囲気です。日程などについては、FacebookページやPeatixなどをご覧ください。
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・読書会へ行こう
読書会の形式や様子はこちらに載せています。
2022年2月19日
小澤さん『AI監獄ウイグル』
本書はいわゆるウイグルに関する問題を取り扱ったドキュメンタリーです。
ウイグル監視システムの立ち上げに参画したイルファンさんや実際に洗脳なども行われたメイセムさんの話などが載っています。イルファンさんの話を聞くと2010年後に発生したウイグル人によるテロなどを防ぐための施策として信じていたが、途中から政府の意図との違いを感じ始めたという記載があります。
今回の読書会の中で「地獄への道は善意で舗装されている」という言葉が出ていたが、まさにこれはそれを示したものだと感じました。
監視システムはもちろんいきなり出来上がったわけではなく、中国を代表する企業の民間技術が転用されていることも驚かされます。今現在もこういった事態が発生しているということは隣国として意識すべきことに感じました。
YUKIKOさん『わたしを離さないで』
「あいまいさ」がテーマだったので、この本を選びました。
第一部では子供の日常を描いているのですが、何か雰囲気があいまいで大人達が何かを隠しているのですがその肝心の「何か」は先を読まないと分からない設定になっています。
その「何か」を知りたくて、この本を読み進める感じです。
この本で起きた事が未来に起こらない事を祈るしかないのですが、科学技術が進んでそして人の倫理観が変わってしまったら、こんな怖ろしい事を人は簡単にやってのけてしまうかもしれないという警告の意味も込めてのノーベル文学賞なのかなとも思いました。
読後の感想で「答えのない世界を生きる」、「AI」、「腸内フローラ」の話、楽しかったです。
今日の昼と夜ごはんは自分の「善玉菌」の為に食物繊維があるもの(善玉菌を増やす)とヨーグルトを食べてみました。
でも昼はラーメン食べたし、夜はアルコール(糖分は悪玉菌を増やすそうです)飲んだし、あまり大腸に善玉菌が増えていないような気がする・・・。
よしだ『答えのない世界を生きる』小坂井敏晶著
答えはないと言われると、ではいったい何を目指して生きていけばいいのかという困惑を抱くが、きっと答えがなくても生きていける。それよりも、正解を見つけた!我が意を得たり!と思ってしまうことの方が危ない。現実を見る目を曇らせてしまう。
2022年1月30日
Takashiさん『人間的、あまりに人間的(Ⅰ)』ニーチェ著 ちくま文芸文庫
本書はニーチェの短文集だ。なかなかパンチが効いている。例えば、
「愛されたいという要求は、自惚れの最たるものである」(P435 )
今度恋愛ドラマで相手に愛情を要求する場面があれば、自惚れを自覚しているかどうかを見てみたい。自覚のある方が心の機微は細やかだし、ドラマも面白くなりそうだ。
としさん『共に生きるスピリチュアルケア 医療・看護から宗教まで』編著:大村哲夫、瀧口俊子、和田信
「あいまいさ」がテーマだったので、これを選びました。
スピリチュアルケアとスピリチュアリティは、決まった定義がなく曖昧です。
それを、この業界の先生たちがそれぞれの観点からスピリチュアルケアに関して教えてくれます。
今回ぱっと開いた場所を読みました。3章1の「宗教性とスピリチュアルケア」でした。
スピリチュアルケアは、身体的、精神的、社会的なペインを総称してトータルペインと言いますが、そのケアになります。ホスピスや緩和ケア、介護、福祉などで使われている言葉です。
この3章1では、宗教学研究者である上智大の島薗進先生が、それを宗教と掛け合わせて書いてありました。日本のように特定宗教に所属していない人がケアする場合のアプローチは、自助グループやグリーフケア、アートセラピーと考えるといいそうです。
「あいまいさ」の会で気が付いたのは、私自身が曖昧に物事を理解していることでした。だから、色々説明できないんだと(笑)
皆さんとお話しすることで色々な気付きがありました。とても有意義な時間が過ごせました。感想を書くことは、自分の考えをまとめるのにも役に立っています。いつも有難うございます。
yuさん『空色勾玉』
あいまいがテーマ。
古事記と日本書紀をテーマにしたファンタジー小説を読みました。
出自が明らかでない主人公のみる夢。
あいまいであることと、はっきり明らかにすること、あることの良し悪しはないのではないかと考えました。どちからといえば日本はあいまいでそれを良くないとするのは外国からの目線であり、同じでなくてもいいのかなと思いました。
よしだ『時間は存在しない』カルロ・ロヴェッリ著/富永星訳
今日おもしろかったのは、世界を場の重なりの総和としてみるということ。たとえば万有引力はその名の通り、質量をもつ全ての物体は距離に応じた引力を発生させるという法則であり、その力は周囲の全ての物体に働きます。だから物体がひとつ置かれると、そこだけ空間が凹むようなイメージでその凹みに他の物体が転がっていくように引き寄せられます。でも目の前のたとえば大きな岩に引き寄せられないのは、引力を感じるほどには質量が大きくないから。なんだけれども確実に引力は働いており、目の前の岩だけではなく、横を通過した車も隣にいる人も空間を凹ませるような場を作り出してます。そのような、それぞれの重力場の総和のなかで生きているということです。なんか酔いそう。
2022年1月15日
よしだ『昭和の不思議101 隠蔽された真相解明号』
すこし前の読書会で、秩序立ちすぎている今の社会は逆に生きにくさを生んでいるのではないかというような本を読んでいる人がいました。それには共感を覚えるところもあったので、今よりももうすこしいいかげんなイメージがある昭和に触れてみたいと思い、この本を選びました。電子書籍の雑誌です。
本では昭和の事件やニュースが紹介されており、「こっくりさん」や「カシマさん」など、オカルトも紹介されていました。こっくりさんは、全国の学校で禁止令が出るほど、危険なものだったのだとか。ある生徒が具合悪くなったときに「こっくりさんに呪われた」と言い出して、一緒にこっくりさんをやってた生徒も一緒に具合悪くなっていくというカラクリ(?)なのだそうです。今でも学校でオカルトが流行っていたりするのかな、などと気になりました。