2022.12.05

読書会の読書感想(11/29-12/4)

 参加者に任意でいただいた読書感想を掲載します。29日(火)は3名、30日(水)は5名、3日(土)は5名、4日(日)は10名の参加でした(主催者含む)。
 日曜日の「質問「   」について考える時間。」の質問は、

待っていてくれた人の名前をすべて思い出せますか

田中未知著『質問』(文藝春秋)

でした。

11月29日:読みたい本を気ままに読む読書会

Takashiさん『菊と刀』ルース・ベネディクト 平凡社ライブラリ
 本書は80年くらい前に書かれた日本分析の本だ。今日は十一章の修養を読んだ。

 「死ぬ気でやればなんでもできる」という言葉は、自分もその意図するところを理解することができる。だけどアメリカ人は「生ける屍(ゾンビ)になればなんでもできる」みたいにしか理解できなくて首をかしげるそうだ。

 仏教でさえ日本に入ると形が変わる。「人は死んだらみんな仏様になる」というのは日本人の常識だが、そんなの日本だけらしい。普通の仏教は悟りをひらくための厳しい教えだ。

 但し、禅は日本人の実感と深く結びついた。禅の修養は徹底的に現世利益を得るためのものだからだ。日本人にとって形而上的なものはあまりピンとこない。だから現代においても、あれほどまでに宗教にマイナスのイメージをかぶせることが出来るのかもしれない。

11月30日:読みたい本を気ままに読む読書会

yuさん『三四郎』
1908年頃に新聞連載が始まったみたいです。三四郎が熊本から東京の大学に進学するんですが、電車の中で2人のキーになる人に出会う。大学は秋入学で今のような入学式はなかったみたいです。先生が15分以上も遅れてきたり、隣の落書きしている学生がサラリと俳句?のようなものを書いていたりしたところを読みました。母への手紙を言文一致で書いたとありました。100年前くらい。

12月3日:読みたい本を気ままに読む読書会

Takashiさん『菊と刀』ルース・ベネディクト 平凡社ライブラリ
 本書は80年くらい前に書かれた日本分析の本だ。

 漫画やドラマでよくある、「世間がどんなに悪く言ったって、私はあなたの味方だ」というセリフは好まれるし頻繁に使われる。

 しかしこれは80年前の日本では非日常だった。ひょっとしたら今でも非日常かもしれず、だからこそ憧れがあり好まれているのかもしれない。

 日本人の集団の基準は外部(世間)にある。現実では外部が否定する人間は排除される。「一家の恥さらしめ!お前なんか勘当だ!」っていうあれだ。それから、”日本ってこんなに素晴らしい”というTV番組は、多くが海外から日本を賞賛する構造になっている。根っこは同じだろう。

 日本人は抽象的なものに基準を置くという考え方が苦手だ。外部の評価や長く継続した集団の規範という分かりやすいものを基準にするしかないのだ。


 過去の読書感想はこちらに載せています。

読書会参加者に投稿いただいた読書の感想です(2022年10月-)。

 

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