2023.02.06

読書会の読書感想(1/31-2/5)

 参加者に任意でいただいた読書感想を掲載します。31日(火,午前)は3名、2月1日(水,夜)は8名、4日(土,午前)は8名、5日(日,午前)は11名、5日(日,夜)は7名の参加でした(主催者含む)。
 土曜日の「質問「   」について考える時間。」の質問は、

記号は今あるだけで十分ですか

田中未知著『質問』(文藝春秋)

でした。

1月31日(火,午前):読みたい本を気ままに読む読書会

おおにしさん『世界史との対話(上)』小川幸司
世界史との対話(上) 小川幸司 第8講 歴史のなかのイエスを探す

最初に、イエスは西暦元年ではなく前4年頃に生まれたと書いてあり驚く。
本書ではくわしく触れられていないが、現在の歴史研究者はイエスの生年を前4年ごろと考えているようだ。
生年だけでなく、新訳聖書や現存するイエスの語録などの記述を比較したり、言及されている出来事の年代と照らし合わせることで歴史の中のイエス像づくりが今も行われている。

4大福音書は編さん者の違いで内容にも大きな違いがある。
「マルコの福音書」はイエスの語録を中心にまとめられており、
”はじめにことばあった。”という文章始まる「ヨハネの福音書」は西洋思想のルーツの1つとなった。
一方で世界は善と悪の神の戦いの場であるという記述のある「トマスの福音書」は異端とされて新訳聖書に含まれなかった。(ゾロアスター教との関連性あり?)

ローマ帝国はキリスト教を国教にしてから、一人の人間から救世主という強い存在へイエス像を作り上げていき、新約聖書の言葉を権力の都合のいいように解釈して統治に利用した。そしてローマ帝国の領土拡大とともにキリスト教も一気に広まっていったのだった。

*イエスの布教活動はたった2年間であり、直弟子も10数名で直接イエスの言葉を聞いた人はもしかすると1万人足らずだったかもしれません。人間イエスの言葉から生まれたキリスト教が世界人口の30%を信者に持つ大宗教に発展していった事実には驚きます。
イエスは実際にはどんな人生を送ったのでしょうか。歴史の中のイエスについてもっと知りたいと思いました。

2月5日(日,午前):読みたい本を気ままに読む読書会

うさじさん『標準精神医学』医学書院
本日も色々な会話ができて楽しかったです。
ありがとうございました。

まなびや気づき
・意識ってなんだろう?
・本の解説書と原書と内容にちがいがある
・眠たい時だけ寝床に行くことで不眠症を改善
・こころを元気にすることばを小さい頃から知っておくことは大切(アンパンマン)

Takashiさん『死に至る病』キェルケゴール著
「死に至る病」の解説動画を見た。でも、多くの動画が本書に書かれていないことを挙げていて、それなのに似た話が多かった。解説は正しいのだろうけれど何故そうなっているのか興味が湧いた。

おそらく理由は受験参考書にある。本屋でいくつかの倫理の受験参考書を見たところ、動画のストーリーと同じことが書かれていた。出どころはここだ。この解説が世間のキェルケゴール像の定番になっている。

私の感想だが、本書は、自分が自分についている二重三重の嘘をどんどん引き剥がしていく痛快で熱い本だ。受験問題の正解は変えられないとしても、動画解説の人には是非そういった面も、ちょっと解説して頂ければいいなと思う。

2月5日(日,夜):読みたい本を気ままに読む読書会

Yamamotoさん『超ミニマル主義』四角大輔
10年くらい前の自分が持っているモノ・コトの量と、今の自分が持っているモノ・コトの量を比較してみたのですが、実はそんなに変わっていませんでした。今の時代は「君たちは沢山のモノ・コト・情報に囲まれすぎていている」と思い込まさせられている時代なのかもしれない、とこの本を読んで思いました。

てらもっちさん『WILDER MANN』
欧州にも日本の鬼と同様に仮装文化があることが気になった。
自分の想像が試された感もあり、なんとなく心地いい。

こんな仮装をして街を歩きたい。

祭りの非日常性、カオスは、もしかしたら、民族や国を超えた平和に役に立つのかも。

旅に来ている中国、台湾、韓国をはじめとする海外の方々には丁寧に接そうと思う。

yuさん『雨に打たれて』
アンネマリー・シュヴァルツェンバッハ作。スイスの女性作家。長い名前だなあ。
90年前くらいに生まれた人です。
ナチに迎合する両親に反発して同性の恋人と共に中近東を旅したスイス人作家。14個の短編集です。出版された時、勧められたのて手に取りました。今日は、初めの「約束の地」を途中まで読みました。パレスチナの港へ向かう船の上でイースターを祝う。ハイファでタクシーに乗り運転手との何気ない会話からも当時の様子が窺える気がしました。若くして死んでしまった後に母親から遺作は暖炉にくべられてしまったそうです。
他の方とは地震や、海外生活についての話をしたりしました。


 過去の読書感想はこちらに載せています。

読書会参加者に投稿いただいた読書の感想です(2022年10月-)。

 

〈読書会について〉
 事前読書のいらない、その場で読んで感想をシェアするスタイルの読書会を開いています。事前申込をあまり求めない、出入り自由な雰囲気です。スタンスや日程などについてはこちらをご覧ください。

関連するタグ

#読書会

このページをシェアする

読書会

 本を読んだり、なにか考えごとをしたり、ゆっくりと使える時間になればと思っています。事前読書のいらない、その場で読んで感想をシェアするスタイルの読書会です。事前申込はあまり求めていませんので、気が向いたときに来てください。

詳しく見る >>