参加者に任意でいただいた読書感想を掲載します。17日(水/午前)は8名、20日(土/午前)は7名、21日(日/午前)は5名、21日(日/夜)は3名の参加でした(主催者含む)。
土曜日の「質問「 」について考える時間。」の質問は、
質問の数と答えの数は同じでしょうか
田中未知著『質問』(文藝春秋)
でした。
5月17日(水/午前):読みたい本を気ままに読む読書会
よしださん『性ホルモンと環境に操られる脳 男女の脳はなぜ違うのか』田中冨久子
今日読んだところは話すことに関係する脳の部位についての内容でした。ちょっと専門的すぎたのでここまででおもしろかったことを少し紹介しますと、猿社会のヒエラルキーは、動物園の猿山では見られるが自然界では見られないということです。著者の見解では、動物園・猿山の限られたリソース(餌)が主にオスの不安や恐れの心を掻き立てヒエラルキーを生んでいるのではないかということでした。人間もヒエラルキーを作りがちだと感じますが、現代では食糧とかではないもっと見えない何かを奪い合っているのかなぁなんて思いました。
5月20日(土/午前):読みたい本を気ままに読む読書会
原有輝さん『弁証法はどういう科学か』
この本は、50年以上前に書かれたとは思えないほど、平易な言葉で説明された、読みやすい本です。弁証法は意識するしないにかかわらず、日常生活にも科学にも溶け込んでいるらしい、と思ってなるほどと思いました。例えば、負けるが勝ちなど。
5月21日(日/午前):読みたい本を気ままに読む読書会
よしださん『五色の虹 満州建国大学の卒業生たちの戦後』三浦英之著
1938年に日本が満州につくった大学があり、そこで過ごした学生の手記や戦後や今のことを書いているノンフィクションです。
まだ序盤ですが、べつに良い意味でもなく、戦争などは人を鋭くさせる気がします。
読書会後の雑談の時間では、「みんちゃれ」という習慣化アプリで、AIのボットに褒められるとそれはそれでちょっとうれしい、というのがおもしろかったです。
Takashiさん『人間の条件』ハンナ・アーレント
皆さまに朗報でございます。なんと講談社学術文庫から『人間の条件』の新訳版が出ました。初版が今年2023年3月、第二刷が4月と哲学書にしてはおそらく異例の重版出来だと思われます。
ちくま学芸文庫の方も売れに売れた良書ですが、新訳版は更に噛み砕いた文章で注釈も増え、嬉しい限りです。
視点が一つ増えるということは、間違いなくエキサイティングな体験だと思います。そんな文庫本なので、マニアだったら講談社とちくま両方買いましょう!
5月21日(日/夜):読みたい本を気ままに読む読書会
yuさん『ゾウの旅』ジョゼ・サラマーゴ
「像の旅」で象はポルトガルからオーストリアまで歩きますが、昼寝をする時間があってそれに兵士や大公がイライラして短くできないか!と交渉する様が滑稽でした。人間の都合で連れて行くのに象にはなんの関係もないことなのに生活を乱されている。自分勝手な人間の様子が描かれているなあと思いました。
過去の読書感想はこちらに載せています。
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