2023.06.19

読書会の読書感想(6/14-18)

 参加者に任意でいただいた読書感想を掲載します。14日(水/午前)は6名、16日(金/夜)は4名、17日(土/午前)は8名、18日(日/午前)は7名、18日(日/夜)は5名の参加でした(主催者含む)。
 土曜日の「質問「   」について考える時間。」の質問は、

貯金で夢が買えますか

田中未知著『質問』(文藝春秋)

でした。

6月14日(水/午前):読みたい本を気ままに読む読書会

よしださん『自我の起原 愛とエゴイズムの動物社会学』真木悠介著
 まだほんとうに序文しか読んでいませんが、全体を流れのように捉えることを基本として考えているように感じられます。今生きている「私」という人は、転生によって続いていく自己という存在の一時の姿にしか過ぎない。しかしその「私」が主体化し他を支配することがある、といいます。「私」を大事にするということと次へつなげていくということはなんとなく矛盾することだよな、と漠然と思ったりしました。

6月16日(金/夜):読みたい本を気ままに読む読書会

yuさん『砂の女』安部公房
砂丘へ昆虫採集に出かけた男が行方不明になる。男の迷い込んだ村がなんだか不気味でこの世のものではないのでは?と読み始めたばかりですが思い始めています。

他の方の紹介で「評価」についてがありました。評価は人との関係で変わってくるもで、難しいものだし、人の能力はその人だけの所有物だからあやふやな基準では測れないものではないかなと考えたりしました。

6月17日(土/午前):読みたい本を気ままに読む読書会

tetsuさん『〈弱いロボット〉の思考 わたし・身体・コミュニケーション』岡田美智男
今日は3章「自らの視点から描いた自画像わたしたちの身体にまつわる〈弱さ〉の起源を探る」を読みました。先日の読書会の中で「どこまでが<私>なのか。身体が私なのか、心が私なのか」といった問いかけがありました。興味深い哲学的なテーマだなと記憶に残っていたのですが、3章で書かれている内容はその問いにつながるものを感じました。
具体的には、幼児の背丈ほどもない小型ロボットを遠隔操作し、ヘッドマウントディスプレーでロボットからの見え方をモニターするという試みについてです。操縦者は見え方が変化することで、自分の身体が小さくなってしまったような感覚に陥ります。その小型ロボットからの目線では、元の身体で捉えているよりも子どもたちの動きが大きく、そして俊敏なものに映ります。おそらくは、その振る舞いも小型ロボットの外見の可愛らしさに見合ったものに変化するのだろうと思います(着ぐるみのなかに入ったことのある経験上)。また、私というイメージは、自身に対する他者の反応を参照することによって見出されるという、周囲とのかかわりの中から立ち現れる自己(対人的自己)の一面も持っている。つまり、私という自己イメージは、まとっている「身体」に少なからず影響を受けるものであるし、その身体性を抜きには成り立たないものだと言えます。
最初の問いに帰ってみると、私=身体ではないものの、身体も含めた様々な要因(因果)から成り立っている。その身体が変化した時には、「私」と呼ぶものはなにがしかの影響を受けているのだろう。「私」と呼ぶこの実体は、私以外のものでできている。これは般若心経の「空」の概念であるな、と無事着地しました。
爪が伸びてキーボードが打ちづらかったので途中で切っていたのですが、こういう些細なことも含めて私というものが立ち上がっていると思うと、できるだけ丁寧に暮らしたいなと思ったりしました。今日もありがとうございました。

6月18日(日/午前):読みたい本を気ままに読む読書会

yuさん『ハドリアヌス帝の回想』マルグリット・ユルスナール
2000年前のローマ皇帝の目線で散文のように物語が進められる。食べ物に対する記述や恋愛に対する記述も事細かに書かれていて観察眼が鋭いなと思いました。

フリータイムでは。これ以上の経済成長は必要かや持続可能な社会とはやイギリスやインドの身分制度についてなどを話しました。お腹が満たされたから次は心を満たすためにインターネットが出てきて人間の自我はどう満たされるのかという話にもなりました。週休3日がいいよね。しかし労働って人類らしいかもしれないなどなど。

6月18日(日/夜):読みたい本を気ままに読む読書会

yuさん『はたらかないで、たらふく食べたい』栗原泰
夜の読書会の感想です。まずタイトルに惹かれました。今日読んだところは、「他人の迷惑顧みず」の江戸の蘭学者高野長英の紹介の部分でした。栗原さんのひらがなの文体が飾らなくて等身大で思わずニヤリとしてしまいます。

他の方の読まれていた窓際のトットちゃんは日本で一番売れた小説だそうです。2023年冬でアニメ化されるようです。夏目漱石の心と太宰治の人間失格で2位を争っているようです。ずいぶん前に読んで忘れているのでまた読んでみたくなりました。


 過去の読書感想はこちらに載せています。

読書会参加者に投稿いただいた読書の感想です(2022年10月-)。

 

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