参加者に任意でいただいた読書感想を掲載します。26日(土/午前)は9名、27日(日/午前)は7名の参加でした(主催者含む)。
土曜日の「質問「 」について考える時間。」の質問は、
あなたにそっくりな代理人がいたとして、「でもやはり代理人には任せられないこと」はありますか
田中未知著『質問』(文藝春秋)
でした。
8月26日(土/午前):読みたい本を気ままに読む読書会
yuさん『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈
2021年、新潮社主催の新人賞、第20回「女による女のためのR-18文学賞」で史上初の三冠(大賞、読者賞、友近賞)を獲得した作品が2023年3月に発売されたそうです。成瀬の心が描かれていないようで、自称凡人の幼馴染の島崎の目線で語られています。思わずクスッと笑ってしまうところもあり読書会の集合時間を忘れそうになるほど夢中になりました。
よしださん『五色の虹 満州建国大学卒業生たちの戦後』三浦英之著
なぜこの本を読もうと思ったのかと聞かれてなにやらいろいろと応えましたが、改めて思うところは、戦前の世界を知るともしかしたら自分もこんな人生を歩んでいたのかもしれないと思い、人間の幅みたいなことに思いが巡るからなのだと思います。縄文時代だとさすがに遠すぎるけど、自分の祖父母が生きていた頃だと思うと同じ人間なのに違う世界観・人生観であるということに変な身近さを感じてしまいます。
今日は、韓国の首相まで務めた満州建国大学出身者が登場しました。その人はおそらく元々は北朝鮮地域出身で、故郷を抜け出して日本に来てそれから満州建国大学に行き、日本で太平洋戦争を終え、故郷に帰ったけど共産国の侵食を嫌悪して韓国へ渡り士官学校に入り、朝鮮戦争では北朝鮮の侵略を食い止め、その後韓国の首相になりました。つまり戦争を自国のために戦ったことがおそらくなく、逆に自国の侵略を止める立場にあったということです。個人にとっての国とは何なのか、みたいなことに少しだけ思いが巡りました。
8月27日(日/午前):読みたい本を気ままに読む読書会
Takashiさん『夜と霧』ヴィクトール・E・フランクル(新版、みすず書房)
私にとって読書はエンジンにもなり得る。
「『生きていることにもうなんにも期待がもてない』こんな言葉にたいして、いったいどう応えたらいいのだろう。」(本書P129より)これは過酷な収容所生活の中で著者が立てた問いだが、著者の答えは普段の我々の生活にも十分あてはめることができる。
著者の言葉は日常生活の細部においてさえ私を勇気付けてくれる。
過去の読書感想はこちらに載せています。
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