参加者に任意でいただいた読書感想を掲載します。13日(水/午前)は4名、15日(日/夜)は3名、16日(土/午前)は7名、17日(日/午前)は5名、17日(日/夜)は5名の参加でした(主催者含む)。
日曜日の「質問「 」について考える時間。」の質問は、
一度しか渡らなかった橋を思い出せますか
田中未知著『質問』(文藝春秋)
でした。
9月13日(水/午前):読みたい本を気ままに読む読書会
よしださん『因果推論の科学 「なぜ?」の問いにどう答えるか』ジューディア・パール,ダナ・マッケンジー著/夏目大訳/松尾豊監修解説
何かが起こると「なんでだろう?」と考えて、自分なりに答えを出します。そのなんでだろうの答えは原因と言われるものです。原因を見つけることで一つの良いことが得られます。それは、次に似た状況になったときに、悪い結果は原因を改善することで良い方向へ変えることができ、良い結果は原因を維持することで同じく良い結果に導けることです。人間はきっとうまく原因を見つけることでこれまで生き延びてきたのだろうななんてことも思います。
しかし、結果に特定の原因を結びつける因果関係というものは非科学的とされる見方もあるようです。というより、近代のしばらくはそっちの方が主流だった?では何が科学的な見解なのかというと統計です。気温の高さとアイスの売れ行きには相関関係がある、以上。ということです。
なぜ因果関係は非科学的なのかということはまだ理解できていませんが、一定の理解ができるところはあります。たとえば僕がアイスの開発者だったら、自分のアイディアが原因で売上が上がったと思うだろうからです。でも単純に気温が高かったからという可能性の方が大です。人は自分が見えているものしか見えません。広い視野をもとうとか客観的になろうとか思っても、私が見ている限りは私が見えているものしか見えません。そういった主観を排除しようというのが統計でありデータなのだと思います。
とはいえしかしながら統計やデータだけでは見落とすことがある、たどりつけない領域があるというのがたぶんこの本のテーマです。因果関係の狭さと相関関係の浅さの両方を乗り越えた思考というものがあるというのを教えてくれるのだと思います(僕が理解できればですが…)。
9月15日(金/午前):読みたい本を気ままに読む読書会
yuさん『あなたはここにいなくとも』町田そのこ
家族がはずかしくて、大事な人に見せられない主人公。祖母の死においてもその勇気が出ない話。実家でもそのことを父に伝え「出ていけ」と言われたり。人の気持ちの細かいところを描いているなと思いました。短編が5篇のうちの1篇め。「あなた」は誰なのか。
9月16日(土/午前):読みたい本を気ままに読む読書会
よしださん『言語の本質』今井むつみ,秋田喜美著
今日は同じグループに数学に関する本を読んでおられる方がいました。数学は様々な変換の過程を経て答えにたどりつきます。一方で言語もさまざまな過程を経てだからこうであるという結論にたどりついたりします。そういう意味で両者は似ているなと思います。
しかし、言語は感覚的に理解できる範囲で論が進んでいくような気がしますが、数学ではそんなことは関係なく進んでいくような気がします。それでも出た答えは答えとして正しいものとされる。
だからどうということもないのですが、そんな感覚から飛躍をする数学とは一体どうやって生まれてきたのだろうかと気になりました。
9月17日(日/夜):読みたい本を気ままに読む読書会
KYさん『名探偵の掟』
面白い本ですが、ブラックジョークな話しだと思いました。特に1章 密室宣言で犯人が自殺したのでトリックがどうでも良くなり探偵が推理を聞いてもらえないのがかわいそうでした。他の参加者の方の本では、「ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー」を再読したくなりました。読書をする時間がとれ、気持ちを落ち着けることができました。また、参加したいです。
過去の読書感想はこちらに載せています。
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