質問「偶然は必ず運が支配すると思いますか」
『質問』田中未知著
たとえば飛行機が落ちるかどうかは乗客の努力や意思とは関係がないので「偶然」と呼ぶべきでしょう。そして、たまたま乗った飛行機が落ちれば「運が悪かった」と言うし、たまたまキャンセルした飛行機が落ちれば「運が良かった」と言うでしょう。
ではこのとき「運」の正体とはいったい何でしょう。考えれば考えるほど「いかなる実体もない」ように思えてきます。そうだとすると、そもそも運というものは実在せず、運が良いと思うのも悪いと思うのもナンセンスということになるかもしれません。
しかしそれでも私たちはものごとが起こればなんらかの原因を知ろうとします。なんらかのストーリーや因果あるいはまさに運命のようなものを見つけたくなります。そうしたなかで「運」を仮想するのではないでしょうか。
質問に回答するなら「偶然を私はまったく支配できないため、必ず運がすべて支配する。ただし運には実体がないので、つまり実体のない何かわからないものがすべてを支配する」という感じでしょうか。
(西野)
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