参加者に任意でいただいた読書感想を掲載します。31日(火/午前)は4名、5日(日/午前)は6名の参加でした(主催者含む)。
10月31日(火/午前):読みたい本を気ままに読む読書会
けいすけさん『ハコヅメ仕事論』
アニメ化されたマンガの著者と編集者へのインタビュー。過酷で突発的でハチャメチャな仕事だからこそ、仕事論に芯が通っている。「労働者の思想史」ともリンクして、「働くってなんだろう」「上司と部下ってどうあるべきなんだろう」と考えが深まりました
よしださん『労働の思想史 哲学者は働くことをどう考えてきたのか』中山元著
今日は労働による主(しゅ)と奴(ど)の逆転のことが書かれていました。解釈も交えて紹介してみようと思います。
時流に乗るなどしてお金などを得た資本家は、そのお金を使って労働者を雇います。労働者は生活のためにお金が必要ですから、賃金の対価として労働を資本家に差し出します。この時点では資本家が主で労働者が奴となります。
しかし労働を与えられた労働者は、その労働をするなかで知識やスキルを身につけたり、時には労働を効率的に行うための道具や仕組みを考えだしたりすることがあります。資本家は単に労働を与えただけですが、労働者は現場で力をつけ始めます。
この時点で労働者と資本家の立場は逆転している可能性があります。つまり、資本家は労働者の労働がなければ製品などを作ることができなくなっているので、労働者に依存しているということです。
とてもきれいな逆転で、今の日本でも職人さんを大事にするとか、そういうところにこのような逆転は見られると思います(もっとも主・奴という意識がそもそもないかもしれませんが)。その一方で、たしかに論理としては起こりそうだけどその逆転を力として労働者が権利や権力を持つということが現実ではあまり感じられないのはなぜだろうと思いました。
過去の読書感想はこちらに載せています。
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