テーマを「競争」においた読書会でいただいた読書感想を掲載しています。
読書会に参加した人とのちょっとした振り返りの時間として、参加できなかった人への読書会の様子や話題のシェアとして、読書会に参加いただいた方の読書の感想をこの場所に載せていきたいと考えています。「気が向いたら」という任意でいただいた感想です。引き続き更新していきます。
2024年4月20日(土/午前)
よしださん『二つの「競争」 競争観をめぐる現代経済思想』井上義朗著
序盤を読みました。著者の専門が経済学なので、経済を切り口に書かれています。
経済にとって競争とは、より効率的な生産方法を見出すための手段、みたいに書かれていました。競争があることで、効率的な生産方法やサービスの提供方法を各企業は求め確立していく。それはある一つの企業の独占を生むのではなく、その効率的な方法が他の企業や業態にも転用されていく。だから、競争とはそれ自体が目的というよりも、効率的な方法を見出すための手段として働くということです。
さらに続くのは、競争に負けて仮に倒産する企業が出てきても、そこで働く従業員は非効率的な企業から解放されて効率的な企業で働くことができるから人一人一人にとっても有益であると考えられているのだそうです。給料も上がりやすいかもしれないし非効率による疲弊も起きにくいのかもしれません。
では現実はどうかと照らし合わせると、いろいろと乖離が見られるように思いました。あとは読書会のなかで他の方が言っていたのは、効率を究極的に追求すると朝一の会議で出た課題が午後一には改善されていることが要求される、そしてそれを永遠に繰り返していくということもあるようです。いい塩梅でというコンセンサスがあればいいのかもしれませんが、そうともならないのが問題としてあるようにも思いました。