参加者に任意でいただいた読書感想を掲載します。12日(火/午前)は3名、14日(金/夜)は3名、15日(土/午前)は5名、16日(日/午前)は5名、16日(日/夜)は3名でした(主催者含む)。
土曜日の「質問「 」について考える時間。」の質問はこちらでした。
ジグソーパズルから何を連想しますか
田中未知著『質問』(文藝春秋)
6月12日(水/午前):読みたい本を気ままに読む読書会
こりんさん『チーズはどこへ消えた?』
他の方の話は興味深いものの自分に前提知識がなさすぎてわからないことも多く、もっと勉強したいと思いました。
よしださん『記憶のしくみ(下)』ラリー・R・スクワイア/エリック・R・カンデル
今日はマウスの実験から、「場所」の記憶が海馬に確かにあるということが書かれているところを読みました。
記憶というのは知れば知るほど不思議です。例えばビデオ映像を見て、「あーそうだった、あれはあそこにあるんだった」ということを思い出したりするのではありません。あくまでも神経のネットワーク、あるいはそのネットワークを流れる電気信号や化学物質の流通の仕方で記憶というものが形成されています、たぶん。それを私たちは、映像や体験や知識として想起し扱っている。たとえば、タイムカプセルを埋めた記憶とか。
6月14日(金/夜):読みたい本を気ままに読む読書会
yuさん『ゴリオ爺さん』バルザック
ゴリオ爺さんが死にかけているのに娘たちが会いに来ない、お金をもらうときだけ会いに来る。社交界で成功することばかり考えている。
お金の存在って。親子の愛とは。貧乏と金持ちと。爺さんは娘たちから冷たくされていることから目をそむけていたけど・・・。生きるとは?
読みにくくもないし話の筋もおいやすいです。
6月15日(土/午前):読みたい本を気ままに読む読書会
Takashiさん『ブッダの言葉』中村元
わらしべ長者は、観音様から大事にしなさいと言われたわらしべを、なぜ簡単に手放してしまったんだろう。
この本『ブッダのことば』には何事にも執着するなと繰り返し書いてある。わらしべ長者はわらしべに執着していなかったということだろうか。
わらしべ長者を成功譚として見る場合は、見返りを前提とした付加価値と交換タイミングの話だ。しかし私は極めて仏教的な寓話としてわらしべ長者を理解したい。
よしださん『なぜ私たちは燃え尽きてしまうのか』ジョナサン・マレシック著/吉嶺英美訳
大学教授だった著者が自身のバーンアウト経験をもとにさらに理解を深めながら書いている本です。
バーンアウトはよく、アスリートがオリンピックを終えて燃え尽きた、みたいに上まで昇り詰めたり・やりきったりしたときに語られることが多い気がしますが、この本での意味合いは違います。まだ途中ですが、頑張っても理想とのギャップが埋まらないときに起こる心理的な事象として書かれています。あとは、例えば給料が上がらないのに物価が上がるみたいな理不尽とか不公平とかいう環境によっても起こるとも書かれています。つまり、理想があり勤勉な個人と環境の両方の作用によって起こるということのようです。心理学的な用語で言い換えると、自己効力感の欠損によって起こるということに近いのかもしれません。
言ってしまえば、理想がなければバーンアウトにはならないということなのかもしれません。本の帯を見ていると、バーンアウトには文化的な側面がありそれを終わらせようとも書いています。ですので、たぶんですが、理想をもつのは良いけど、バーンアウトを引き起こす文化・環境との接し方みたいなところへ展開されていくのかもしれません。
6月16日(日/午前):読みたい本を気ままに読む読書会
yuさん『百年の孤独』G・ガルシア=マルケス
読み始めて3日目くらいです。読みたいと積んでいたところ、書店の読書会の課題本になっているのをみつけて読めたら参加したいと思い読み始めました。ラテンアメリカの一族の「家」の話。マコンドという村の、百年をかけた生滅の物語。1日10ページくらい読めたらいいなと思っています。
また、今日はインゲボルクバッハマンが紹介されていて「30歳」詩人の小説を読んでみたいと思いました。
Takashiさん『カラマーゾフの兄弟』ドストエフスキー(新潮文庫)
名作長編にはサイドストーリーが沢山あって、しかもサイドストーリーの方が心に残ったりする。
今日の読書会ではそんなサイドストーリーの一つを読み直した。神父さんに自分の過去の犯罪を打ち明けた人の話だ。正しいとか間違いとかの話の裏にある、どう処理していいのか分からない感情が描かれている。
こんな細かい部分は、簡単な解説記事やまとめ動画では決して取り上げられることはない。本当に面白いのはこういう所なのに。
過去の読書感想はこちらに載せています。
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