2024.11.11

読書会の読書感想(11/5-10)

 参加者に任意でいただいた読書感想を掲載します。5日(火/午前)は2名、10日(日/午前)は8名、10日(日/夜)は7名の参加でした(主催者含む)。
 日曜日の「質問「   」について考える時間。」の質問はこちらでした。

与えられた円と同じ面積をもつ正方形を作図できますか

田中未知著『質問』(文藝春秋)

11月5日(火/午前):読みたい本を気ままに読む読書会

よしださん『現象学入門』竹田青嗣
 まだ序盤です。印象に残ったのは認識コンピューターの話でした。
 人は、外にある対象物を見たり聞いたり触ったりして「こんなものがある」ということを認識します。しかし、その際にダイレクトに対象物を認識しているというよりも、認識までの過程でさまざまな処理がされています。例えば、氷を触って冷たいと思う。この時に起きているのは、指で触って指の皮膚になるセンサーのようなものが情報を受けとって信号として神経に伝えて、その後もおそらくいくつかの神経を経由しながら脳に到達する。脳はその信号を受け取り、何らかの既にある基準に則って知覚する。そしてその知覚に「冷たい」という言葉が適切だと判断しその言葉を当てはめる。
 この過程は僕の想像ではありますが、そのようないくつもの処理があって認識をするのが人だとしたときに、その処理過程はコンピューターにおけるプログラムだと置き換えることができます。そして、ではその認識は正しいのかという判断は、その処理=プログラムが正しいのかどうかということを検証できて初めて判断できます。
 しかし、常にその既にあるプログラムを通してしか認識できない人においては、そのプログラムそのものが正しいかどうかを判断する術はないということです。人はものを正しくみることができるのか、主観を超えて客観で捉えることができるのかは、哲学の世界では大きなテーマであるということでした。現象学でもこのテーマにアプローチしているとのことで、どのようなアプローチと答えを出すのかこれから楽しみです。

11月10日(日/夜):読みたい本を気ままに読む読書会

yuさん『地下室の手記』ドストエフスキー
地下室の手記の読んだところを説明していると、ライムギのホールデンみたいだという感想をいただきました。みんなにすかれたいとおもっている。うそとかきらい。がんばってね。とかいわれるといらつく。自分の顔が阿呆ずらにみえてくるところは太宰治の「人間失格」を連想しました。じめじめしたぼた雪のような話です。


過去の読書感想はこちらに載せています。

読書会参加者に投稿いただいた読書の感想です(2024年10月-)。

 

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