2024.12.09

読書会の読書感想(12/7-8)

 参加者に任意でいただいた読書感想を掲載します。7日(土/午前)は5名、8日(日/夜)は5名の参加でした(主催者含む)。

12月7日(土/午前):読みたい本を気ままに読む読書会

yuさん『箱男』阿部公房
段ボール箱に入ってのぞきあなから町をみる。突飛だなとはじめは思っていました。読み進めるうちに自然と主人公が箱男の沼?にはまっていきました。今日よんだところは箱男となった自身の死体の捨て場処は、以前二人で打合せた、例のしょうゆ工場裏をすすめたいという箇所。どゆこと?となっています。それから安楽死に対する見解・・・・。きままな時間でモラトリアムについての各人の捉え方を話しましたが猶予というより異形?と感じました。種明かしがこれからのようです。

よしださん『モラトリアム人間の時代』小此木啓吾
 今日から読み始めました。読書会の前の30分の「最近気になっているテーマや本など」で、「モラトリアム」に抱く印象などを聞いてアップを済ませてからの(?)読書でした。
 序盤からモラトリアムの説明がされていて、印象的で分かりやすかったのは無党派の話です。無党派とは立場を明らかにしないこととこの本では書かれていました。何らかのテーマに関して立場を明らかにせずに、受け身的なお客さま気質で、当事者意識がない、そんな人間をモラトリアム人間と呼ぶそうです。
 それがいいか悪いかは議論を深める必要があると思いますが、一つ良くないと言えることとしては、ナチス時代の社会が全体主義であり、その結果があのような非人道的な活動への加担につながっていたのではないかということです。当事者意識がない集団がなんとなく流されてある活動に従事していく、リーダーが悪であれば悪になりうるということです。
 世の中には問題が多いので当事者意識をもてることには限りがあると思いますが、モラトリアムなだけではいけないなと思いました。ただ、モラトリアムは色々な使われ方をしていて、社会に出る前のあるいは社会に出てから一度立ち止まる・ペースを落とす期間としてのモラトリアムというのもあると思います。これは、多様性とか人生100年の時代には必要な時間であるような気もしていますが、混同せずに整理してみることで、モラトリアムの意味や問題性も分かっていくような気がしました。何気なく世の中にある言葉だけど深いなと思いました。

12月8日(日/夜):読みたい本を気ままに読む読書会

まるやまさん『やる気とか元気がでるポスター』
サルトルの嘔吐、もっと内容がしりたくなった。

yuさん『箱男』阿部公房
今日読んだところは「Dの場合」:少年Dは強さに憧れていた:ある日ふとおもいついて一種のアングルスコープを作ってみることにした。アングルスコープが何かわたしにはよく理解できなかったのですがそのまま読み進め、隣家の便所を家人の目を盗んで覗く計画を立てて実行に移すところを読みました。覗く行為は箱男だなと思いました。他の参加者が読んでいた「嘔吐」で突然わけもなくおそってくる恐怖ってなんなんだろうと考えました。


過去の読書感想はこちらに載せています。

 

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