2024.12.30

読書会の読書感想(12/25-29)

 参加者に任意でいただいた読書感想を掲載します。25日(水/午前)は3名、27日(金/夜)は4名、28日(土/午前)は7名、29日(日/午前)は9名、29日(日/夜)は6名の参加でした(主催者含む)。
 土曜日の「質問「   」について考える時間。」の質問はこちらでした。

不安は眠ると忘れますか

田中未知著『質問』(文藝春秋)

12月25日(水/午前):読みたい本を気ままに読む読書会

よしださん『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』今井むつみ/秋田喜美著
 最後の方を読んでいました。チンパンジーとヒトの思考の違いについて書かれていました。論理思考の厳密さでいうと、もしかしたらチンパンジーの方が上なのかもしれなくて、ヒトの方が誤りが多いのではないかということ。
 例えばヒトの場合、「これはバナナ」と教えてから、いくつかのフルーツの中から「バナナをとって」と言うとバナナをとることができます。しかしチンパンジーはそれができません。ではどちらが正しいかというと、実はチンパンジーだったりします。なぜなら、黄色い棒状のフルーツがバナナだということはわかっても、色々あるフルーツの中の黄色い棒状のフルーツだけがバナナとは限らないからです。赤い丸いフルーツもバナナかもしれないということです。しかしヒトの場合は、これがバナナというA→Xという学習をすると、X→Aという推論も本能的にするということです。結果的に、赤い丸いフルーツがあっても迷わず黄色い棒状のフルーツを取ることができます。
 ヒトは推論をします。だから間違いも犯します。でも、その間違いは可能性でもあり、既存の枠を超えて飛び出すことにもつながる。その飛び出しの結果、失敗をしてしまうことも多々ありますが、その失敗や間違いを補正して妥当な解に近づいていく。ヒトの思考の本質は推論にあるのかもしれなく、その推論とは絶えず失敗や間違いのリスクとセットであるということはあまり知られていないけど大切な示唆であるような気がしました。

12月27日(金/夜):読みたい本を気ままに読む読書会

yuさん『ロンドリ姉妹』モーパッサン
フランスから旅が好きでない男2人がイタリアに列車で行く。途中で20歳まえくらいのフランス美人に会う。しかし、ブレスレットが大きすぎるだのオレンジの食べ方でろくなしつけを受けていないことがわかるだとか、優美さが足りないだとか・・窓から見える香濃いオレンジや景色の長い描写が綺麗でした。

12月28日(土/午前):読みたい本を気ままに読む読書会

よしださん『神は、脳がつくった 200万年の人類史と脳科学で解読する神と宗教の起源』E・フラー・トリー
 神は脳の生成物であるということを前提に、人類の進化、特に脳的なところが書かれているのでしょうか。今日が読み始めでした。
 僕としては、認識の創造に関心があります。そして、認識は脳も関わっているのだろうけど、身体も関わっているのではないかと。仮に神は脳がつくったのだとしても、その神をつくるのは脳内だけの作用なのではなく、身体的な体験を伴うのではないかということです。筋トレをしまくっているといつしか無敵な感覚になるような、なったことはないですが、そんな身体性のある認識形成について今興味をもっています。

12月29日(日/午前):読みたい本を気ままに読む読書会

マークスさん『友だち幻想』
「気の合わない人とでも、少しはぶつかり合いながら、理解を深めていくと、自分の考えに幅を持たせる事ができ良いのではないか」という考えについて色々意見をお聞かせ下さり、参考になりました。
私自身初めての参加で、話す内容が整理されておらず、本の内容を上手く伝えられなかったのですが、皆さんは真剣に聞いて、ご感想も頂き、嬉しかったです。とてもアットホームな雰囲気で良かったです。ありがとうございました。

yuさん『ロンドリ姉妹』モーパッサン
フランスからイタリアへ向かう列車の中。男2人とイタリア人の女一人。男は女の気をひくためにあれこれと考え事をしていて美しい車窓からの風景は全くみていないところが印象に残りました。また、不機嫌な女が急に二人に同行することになってこれからどう物語が進むのか?
会では今年読んだ本やこれから読みたい本なども話して、来年の個人の課題本はどうしようかなと考えました。

Takashiさん『純粋理性批判』カント
岩波文庫上巻第72刷のP117に書かれている「『私』自体」という言葉は物自体と対比させて理解する上でとても良いキーワードだと思った。

しかし光文社古典新約文庫ではこの言葉は出てこない。ネットで拾った英文、独文テキストにも出てこない。岩波文庫の翻訳者である篠田先生のオリジナルの注釈なのか、それともどこかの原文に書かれたものがあったのか、どちらなのかが分からない。

どなたか詳しい方に聞いてみたい。

12月29日(日/夜):読みたい本を気ままに読む読書会

yuさん『失脚』デュレンマット傑作選
古典新訳文庫で4つの短編の中の1つです。登場人物がA~Pの人々が会議の中で話し合っている様子?でJがいないのは何故かな?と。秘密警察長官や国防大臣Hなど政治的?な会議でどこの国かや詳しいことはわからず今は置いてけぼりになっているところです。

善や道徳についてカントについて話題になりました。カントは難しそうですが正義の人だったのかな?と感じました。


過去の読書感想はこちらに載せています。

読書会参加者に投稿いただいた読書の感想です(2024年10月-)。

 

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