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私たちの定住生活は、縄文時代に始まりました。
それまで人類は、数百万年単位での長い移動生活をしていましたが、日本列島では縄文期に、徐々に定住生活に移行していったのです。現代では定住生活が当たり前で、移動生活はなんだか面倒くさそうですが、私たち人類はその生きてきた歴史のほとんどを、移動生活で過ごしてきたのです。
その起源に遡ることで、なぜ定住生活が始まったのか、時代を経た今でも定住生活があるべき姿なのか、考えてみたいと思いました。
このブックレットでは、縄文時代に立ち戻り、定住生活が始まった背景や、そこから定着化していくまでの流れを追っています。
縄文の人々も、新たなライフスタイルに切り替えたことで、様々な問題を抱え始めることになりました。それらの問題を、様々な独創的な方法で解決していき、定住生活を実現させていきました。
ただ、その問題解決の内容や、その結果出来ていく社会を見ていると、定住生活によって得たものもあれば、失ったといいますか、新たに抱えることになったストレスもあったようです。
一般的に、現在ある制度や習慣、文化は、何らかの必要性や前提のもとに、生まれたものだと考えられます。その必要性や前提を見返すことで、今でもそれが本当に必要なのか、正しいあり方なのかが見えてくるのだと思います。
定住生活は、テクノロジーが発達した現代社会でも、本当に良いライフスタイルと言えるのでしょうか。その起源に遡り、必要性や前提を見返すことで、そんなことを考えられるブックレットにしてみました。明確に正しい結論が出せているわけではありませんが、これからのライフスタイルの展望を考える起点になればと思っています。
(吉田)