2021.12.03

読書会の読書感想(11/30-12/5)

 参加者に任意でいただいた読書感想を掲載します。11月30日(火)は5名、12月2日(木)は8名、4日(土) は3名、5日(日)は5名の参加でした(主催者含む)。
 土曜日の「質問「   」について考える時間。」の質問は、

あなたが条件反射的生体反応を見せるのはどんなときですか

でした(田中未知著『質問』(文藝春秋)より)。

 

11月30日:読みたい本を気ままに読む読書会

原有輝さん『心が整う「論語」86の言葉』
 論語の言葉を編集して解説を加えたもので、道徳や生き方を考え直してみようよ、というような内容です。戦前回帰は行き過ぎですが、少し歴史を見直してもいいかもしれません。

Soi Tomsonさん『人類の未来 AI, 経済, 民主主義』(吉成真由美 編)
 本編では五人の知識人へのインタビューがまとめられており、今回はRay Kurzweilの項を読んだ。Ray Kurzweilは発明家、未来学者。インタビュー時はグーグルにてAI部門の技術責任者。
 本書で彼は従来の人間の直感的な考え方は線形的であった(1,2,3,4…)。これからは指数関数的なものの見方 (1,2,4,8…)を直感的にできるようにすることが大事だという。
 この指数関数的な発展速度によりテクノロジーの進歩はさらに加速し2045年には「シンギュラリティ」と呼ばれる新時代に達するという。

【感想】終始SF小説を読んでいるような感覚になった。すでにテクノロジーなどから置いてけぼりをくらっているのに今後はさらに加速する(グーグルのAI技術者が言うので本当なのだろう)ということに少し恐怖を感じた。果たして彼のいう技術革新が人間を幸せにするかどうかは人によると思うが、個人的な思い、また世界における医療、エネルギーなどの問題解決への熱意は敬服する。

よしだ『ホモ・ルーデンス』ホイジンガ著/髙橋英夫訳
 前に読みかけて途中でやめていた本をまた開いてみることにしました。文化人類学系の本なのだと思います。
 ホモ・ルーデンスとは「遊ぶヒト」という意味です。ホモ・サピエンスはよく聞くと思いますが、こちらは「賢いヒト」の意味です。自分で賢いと言っちゃった人間…。
 まだ最初の方しか読んでいませんが、著者のホイジンガはきっと、人間の遊び、特にルールや設定が決められた文化的な遊びが、文明を築く礎になっていると考えているのではないかと推測しています。遊びではサッカーでもおままごとでも、その設定やつくられた世界観にしたがっていきます。仕事や行事でも、おなじ感じなのではないかと、ホイジンガはそんなことを言っちゃうのではないかと思ってドキドキしています。

12月2日:読みたい本を気ままに読む読書会

シンカイダイキさん『ダムヤーク』
 太宰治の「駆込み訴え」を、宗教の観点から読み解いていらっしゃるのが、すごいと思いました。僕も、太宰のその短編は読んだことがあるのですが、そこまで精読出来ていないので、また再チャレンジしたいと思いました。

yuさん『シブヤで目覚めて』
 主人公はチェコの大学1年生。日本が好きで日本文学について学んでいる。気がつくと渋谷のハチ公前にいた・・別の次元にいるのかどうかわからない。初めの方を読みました。なぜ日本なのかを今後知りたいです。

 太宰の短編「駆け込み訴え」の紹介がありました。読んだことがなかったので読んでみたいと思いました。

12月4日:読みたい本を気ままに読む読書会

原有輝さん『本屋、はじめました』
 子供の頃から本に囲まれた、両親も本好きな家庭に育った書店店主の書かれた本。本がたくさん売れる、最後の時代に学生時代を過ごしたようです。個人で書店を立ち上げるのは、最近では珍しいようです。

よしだ『ホモ・ルーデンス』ホイジンガ著/髙橋英夫訳
 ヒトの本質を賢さ(サピエンス)ではなく遊び(ルーデンス)に求めようとしている本です。
 …たしかに、金属を精製したり、五重の塔をつくったり、ドローンを飛ばしたり、宇宙に行ったり、賢さの延長線上にそれはなかったように思えます。遊びだからー、とリミッターを外さないと…!

12月5日:テーマ「出合いたいもの」の読書会

mtさん『教養としての数学』キム・ミニョン著、米津篤八訳
 対話形式により、1章では数学の概念、2章では歴史上重要な3つの数学的発見を紹介しています。そして3章では、確率論が取り上げられています。

 確率論は、もともと賭博ゲームの研究として始まったとされています。本書では、賭博ゲームを予期せず中断しなければならなくなったとき、かけ金をどう分けるのかという観点から話が進められます。まず、成績の割合によって分けるという考え方が示されます。一見、妥当だと思われるのですが、異が唱えられます。確率論は、「過去ではなく未来を考えるための概念」との見解によるものです。つまり、現状を結果として算出するのではなく、現状に可能性を加えて算出するという考え方です。

 さらに、トロッコ問題(決定ゲーム)にも言及され、「確率論は善でも悪でもない」だけでなく、「善か悪かも確率論に支配されている」とのこと。ここでの「支配」とは、意図しない結果を指すようです。

 「はじめに」にワイルズ博士の名前もありました。著者と同僚なのだそうです。以前、フェルマーの最終定理の証明について書かれた本を読んだことがあります。証明が完成した瞬間、博士は嗚咽します。感動的な場面です。しかし証明は、博士ひとりの手柄というよりも、時代を経た数学者たちの連携作業との印象を持ちました。数学者たちのドラマチックな生涯に加え、数学の向こうにどんな面白いことが隠れているのだろうかと思いました。残念ながら私は数学の言葉は理解できないのですが、「はじめに自然数nを置く」と聞くと、物語の始まりのように思われ、なぜかワクワクしてしまうのです。

Soi Tomsonさん『BEFORE』 by Jim B. Tucker, MD
 本書はヴァージニア大学知覚研究学科 (division of perceptual studies)での約40年以上にもわたる輪廻研究について書かれた本である。著者であるTucker氏は本書をスピリチュアルのカテゴリーではなく科学書として論じようと試みている。
 研究はまず輪廻に関するケースとして、アジア諸国の過去の記憶を持ったまま生まれた子供たちにフォーカスしているが、現在はアメリカのケースを中心に研究している。

【本書で述べられている内容について個人的に驚いた点】
1)生まれ変わりは割に近場で起きていることが多い(同じ国内、村、家族など)
2)傾向として前世の記憶を持っている人は強い気持ちを持ったまま前世の人生を終えた人が多い(殺人、後悔、悲しみ、事故など)
3)認識と脳はどうやら別のところで機能しているらしい。(子宮に居る赤ちゃんが母親の洋服の色やデザインを詳細に覚えている例や臨死体験など)

【感想】
 全体のまだ半分しか読んでいないが、内容はただただ面白く本を閉じることができない。
 100%輪廻は起きるとは本書でも明確に言及してはいないし、私自身もどうなんだろうと思ってはいるが、この本を読み想像することで死ぬことに対しての恐怖心が薄らいだような気がする。また本当に輪廻があるのであれば亡くなった家族や友人が次の人生を楽しんでいるかもしれないと想像すると気持ちが明るくなる。

 遠藤周作の ”深い河” で知ったヴァージニア大学の輪廻研究が、数十年を経た今も続けられていることにアメリカの懐の深さを感じる。

 余談ではあるが、本書は邦題:”転生した子供たち”、”リターン トゥ ライフ”の二冊に分けて翻訳されている。

 是非読まれた方のご感想を伺ってみたい。

よしだ『モード後の世界』栗野宏文著
 コム・デ・ギャルソンを設立したデザイナー・川久保玲氏は、デザイン画は描かず、技術的な知識にも依存しない(?)ようです。しかしコンセプトはしっかりともち、川久保氏と仕事をする人はその対話を「禅問答」と言うのだそうです。先を歩くということ。

 


 過去の読書感想はこちらに載せています。

読書会参加者に投稿いただいた読書の感想です(2022年10月-)。

 

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(吉田)

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