参加者に任意でいただいた読書感想を掲載します。15日(火)は4名、16日(水)は4名、19日(土)は4名、20日(日)は6名の参加でした(主催者含む)。
日曜日の「質問「 」について考える時間。」の質問は、
お月様が二つ以上あったらよいと考えますか
田中未知著『質問』(文藝春秋)
でした。
11月15日:読みたい本を気ままに読む読書会
よしださん『知覚はおわらない アフォーダンスへの招待』佐々木正人著
僕は雪国生まれですが、雪が踏み固められた滑りやすい地面の歩き方を教えてもらった記憶はありません。
雪道を歩く時、その人たちはみな小股になります。自分の重心からあまり足が離れないように大腿をそっと振り出し、膝から下の下腿をなるべく地面と垂直になるように地面に接地させます。そして足の裏はなるべく裏全体で雪面に接地するように慎重に置きます。それに対して、普通の地面を歩くときは大腿を大きく振り出します。下腿は斜めの状態で踵から地面に接地させます。その方が効率的だからです。しかしそんな歩き方ができるのは地面と足との間に摩擦が生じるからです。地面に対して斜めに力が働いても摩擦によって踵が止まり、そこを支点にして重心を運ぶことができます。しかし雪道ではそんな歩き方をすれば踵がどんどんと前に行くか、勢いよく大腿を振り出した時に軸足の方が滑って、転んでしまいます。だから小股でヒョコヒョコした歩き方になるのです。
さて、こんな解説は雪道の歩き方を習得している今の僕だからできることです。おそらく初めての時、そして今でも、雪道を歩く時にこんなことを考えてはいません。体幹を緊張させ、股関節から下を慎重に動かし足を雪面に接地させます。その時の滑りの機微を感じ取り、どの程度の歩幅やスピードなら大丈夫そうかを探っていきます。その時、中心になって働いているのは体幹から下です。
もちろん、脳にその信号はいっているでしょう。しかし考えているのはどこなのか。この時、脳が考えているといえるのか。体幹と大腿と下腿と足が考えているといえるのではないか。地面とコミュニケーションをし、フィードバックを受けながらPDCAのサイクルを回しているのは体幹から下の系だといえるのではないか、なんてことも思えてしまいます。今日はスポーツにまつわる話のところを読みました。
11月19日:読みたい本を気ままに読む読書会
てらもっち7等兵『百年予測 世界最強のインテリジェンス企業が示す未来覇権地図』
2009年に書かれた本ですが、アメリカの覇権の継続、2020年台の日本の軍事力増強や、東欧の不安定性などの予測など、この十年の流れはある程度予測できているように思いました。AIの進展はあまり重要視されていなかったと思います。
この本では書かれていないのですが、思ったこととして、中国は、日本と同様に製造立国なわけですが、ウクライナ紛争、CO2 問題から、エネルギー価格、そして輸送費の高騰から考えると、輸出入に頼る中国の活況も、そろそろ収まるのではないかと思いました。
今後の2060年までの予測の中で、エネルギー資源を宇宙に求める方向性についても、その通りと思いました。また、各国が軍事司令部を宇宙に置くようになるだろう。ということも、メリットを考えれば、ありうると思いました。
やはりローカルにもグローバルにもエネルギーの流れがキーと思いました。
Takashiさん『サピエンス全史』 ユヴァル・ノア・ハラリ
世の中のお金が増えていく理由を読み返しました。(第16章、ハードカバーの下巻P128~129)
建設業者が銀行に預けた現金100万円をパン屋が借りて、パン屋は建築業業者に100万円払う。ここで建築業者は200万円のお金を持っていることになる。このとき、世の中のお金は200万円に増えたのだけれども、現金は100万円のままだ。
こうやって私の見えないところでお金が増えてるんですね。今日の勉強はここまで!
11月20日:読みたい本を気ままに読む読書会
yuさん『夢宮殿』
7章あるうちの4章から5章にかけて読みました。アルバニアの小説です。夢宮殿に就職した主人公マレク・アレムに与えられた休日の一コマを読みました。以前よく来ていた珈琲店に行く。そこにいる盲人の存在について。凶眼をもつ人々に対する政令について。モスクで仕事をしている人やジプシー女の占い師、サレップという飲み物などが出てきて異国感を感じました。
他の参加者は美について、食の小説を読んでいて、食べることを共有することについて話したりしました。技術が発展しても詰まるところは人間性という話などが出ました。マッチングアプリと就活や結婚などどれも可能性においては同じようなものかな、など考えながら聞いていました。
過去の読書感想はこちらに載せています。
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