2021.09.06

テーマ「価値観の色々」読書会の読書感想

 2021年9月から2021年10月末頃まで、およそ2ヶ月の間、テーマを「価値観の色々」とおいて読書会を開くことにしています。一つのテーマについてゆっくりと、いろいろな視点から考えたり思いを巡らせたりできる時間になればと思っています。
 参加者に任意でいただいた読書感想をこちらに載せていきます。

〈読書会について〉
 事前読書のいらない、その場で読んで感想をシェアするスタイルで読書会を開いています。事前申込をあまり求めない、出入り自由な雰囲気です。日程などについては、FacebookページやPeatixをご覧ください。
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※9月は主催者の都合で9月8日〜18日まで読書会をお休みします。26日から「価値観の色々」読書会を再開する予定です。

 読書会の形式や様子はこちらに載せています。

2021年9月26日

yuさん『理不尽な進化』
 進化論というとダーウインを思い浮かべるが、私たちが普段使用している進化論は実はスペンサー論だというところを読みました。お守りとしての進化論と学術的な進化論の繋がりが複雑だなあと思いました。
 皆で子供の頃の読書体験について話したりしました。小学生の頃を思い出したり。

Rieさん『インサイト』
 自己認識の重要性を再認識できた事良かったです。自己認識の旅は生涯終わる事がなく(自己は変容するので当然だとは思いますが)インサイトは自己認識を行う洞察力、己を知ろうという意思、自分に対する好奇心であり、自分への正しい愛情であると、皆さんのお話しを聞いていて感じました。また、幼少時の読書体験の問いが自己認識を深めてくださいました。ヒーローになって世界を救う。そんな物語にワクワクした自分を思い出し、心が熱くなっていました。原点回帰ができた時間、そんな素敵な時間をありがとうございました。

ながいさん『ムダなありがたい保険』
 僕自身生命保険に加盟してますが民間の保険不要だと感じているので早くやめたいなと感じました。親がもともと生命保険会社で働いていてその紹介で入っているのでやめにくいので、そろそろ判断材料を揃えてやめようと思ってます。家庭を持ち父になった場合には検討の余地があるかなと思いますが、そもそも貯金があればいらないと思っているので、もう少し保険の勉強をしていきます。

Takashiさん『哲学入門』ラッセル著、ちくま学芸文庫
 今日は14章のヘーゲル哲学の解説を読んだ。本章ではこの後ラッセルによるヘーゲル哲学の批判が展開されるのだが、私はヘーゲルなんて一行も読んでいない。だからこのラッセル批判が妥当かどうかは判断しようが無いのだ。

 だから気を付けなければならない。「ヘーゲルって〇〇の部分が駄目だよね~」と他人に語りたくなる誘惑に打ち勝たねばならない。本書の論理構築が、いかに緻密で的を射たものであったとしてもだ。私はラッセルの論旨を読み取るべきであって、ラッセルの結論を借りて「駄目だよね~」と言う資格は無い。そういうのは痛々しくて恥ずかしいことだ。

 昨今の哲学解説書ブームでも同じことが言える。解説書だけ読んで用語の知識を仕入れて分かった雰囲気を出すとやばいのだ。でも時間も無いし、見栄もあるし、私もやっちゃうんだよな~~これを!

よしだ『コンビニ人間』村田沙耶香
 今日で最後まで読み終わりました。

 コンビニがもつ合理性に主人公はフィットしていた。ある時、おかしな流れのなかで彼女はコンビニをやめることになる。すると、彼女の生活は崩れていく。元気に働くために寝る時間を決めていたが、バイトをやめたらその時間に寝る合理的な理由はない。清潔感を保つ必要性も薄れ、風呂に入る理由も同時に薄れていく。
 人それぞれに合う環境や生き方というのはある。絶対的・普遍的な基準があるわけではない。

 テーマだけでなく表現や描写など、全体がおもしろい本でした。

mtさん『高瀬舟』
 短い物語の中に、今日でも通用する普遍的な問題提起を内包した秀逸な一編です。読んでみて、「足りるを知ること」「嘱託殺人の是非」「その時代の法と運用のあり方」が気になりました。合わせて『高瀬舟縁起』も読むと、著者の思うところを知ることができます。

 皆さまからいろいろなお話をうかがうことができ、うれしく思いました。ありがとうございました。

 本書は著作権が切れているので、青空文庫のアプリをインストールすれば、スマホで無料で読むことができます。

yukikoさん『めくらやなぎと眠る女』
 村上春樹の短編集は初めて読みました。

 短編でもそこかしこに村上春樹らしさが溢れた作品でした。
 感想では上手く話すことが出来ませんでしたが、主人公の高校時代の描写そして大人になった今の自分とそこに映る景色は何気ない風景が詩情に溢れてとても爽やかでそして文学的でした。
 短編でも村上春樹を堪能出来ました。

 この短編集は英語版が先に出版されて、その後日本語版が出たそうですがこの詩情溢れる文体を世界中で読まれていると思うと嬉しい気持ちになりました。

2021年9月4日

おおにしさん『聖書vs.世界史 キリスト教的歴史観とは何か』 
*全体を斜め読み
世界史で聖書の記述に基づいて書かれたものを普遍史という
・普遍史では天地創造を元年として歴史を編纂。
・普遍史の歴史は古代ローマ時代に始まる。聖書の版により年号記述の違いがあり歴史学者の間で統一した年表を作ることができなかった。論争続く。
・中世になりルネサンス、宗教改革、大航海時代や科学革命など文明の進歩により
キリスト教的世界観がぐらつき始めたが、中世的普遍史編纂の努力が続けられた。(ニュートンも普遍史を出版)

18世紀になって啓蒙主義者が普遍史を否定し始めて、普遍史から世界史へ移っていった。。
・世界史はイエス生誕を元年にして、ACとBCで年号を表した。大洪水は史実から伝説へ。
・啓蒙主義者は中国の年代記が世界最古のものであることを認め、普遍史批判につながった。

(感想)
18世紀になるまでノアの箱舟を史実ととらえていたとは驚き。
世界史が常識となっても聖書の記述が真実であると信じている人もいて、西洋人の価値観の原点になっていると思われる。
イスラム圏の世界史については別途調べてみたい。

うさじさん『無意識の構造』
 本日もありがございました。

 質問について考える会では、30分では話足りないほどの対話ができて
楽しかったです。言葉の定義や意味が人によって違うからこそ、その意味について話し合う場は大切だと思いました。

 読書会では、以下のまなびがあり、楽しかったです。

・価値観が多様化する時代では、相手の気持ちに共感すること「シンパシー」だけでなく相手の立場に立って考えること「エンパシー」も大切であること。
・共感的な性格かどうかは、遺伝的に決まっているという考え方があること。
・昔話やわらべうたは、子どもに何かを示唆したり、その国の歴史的背景などが反映されていること。

 個人的には、自身とは感じ方や考え方が違う方の立場になって物事を考えるということをしてみると、色々発見があるのではないかと感じました。

yuさん『天才たちの日課』
 過去四百年の偉人たちの日常が収められている。300人くらいで1人1p~4pくらいです。「どんなものをたべていたか」「何時に食事してたか」でどんな人かだいたいいいあてることができるらしい。
 他の方は「コンビニ人間」「失われたいくつかのものの目録」「聖書と世界史」などを読んであり、異物を社会は許さないのはなんでだろうなどど考えたりしました。その反面「個性的であろうとする風潮」となんだか矛盾するなア。個性も社会から作られたものには寛容なのかな?価値観がテーマでした。

原有輝さん『沈黙のちから』
 悲しみと愛しみ、言語と言語以前のことが書かれています。言葉にならない思いはあるが、出来るだけ言語化した方がいい訳です。離別や死別は悲しいものです。ただ、悲しみは愛しみに変わるようです。それには時間が必要なのです。

つやまさん『スピリチュアルズ 「わたし」の謎』橘玲
 近年の脳科学、進化心理学、進化生物学、行動遺伝学などの知見を総合すると、「わたし」のほとんどすべては無意識が支配していて、意識はその表面の一部か幻想に過ぎないことが明らかになりつつある。また、パーソナリティ心理学の「ビッグファイブ理論」により、人間の性格は五つの因子(「外向的/内向的」 「楽観的/悲観的」「協調性」「堅実性」「経験への開放性」)から成り立っていて、そのバランスは人によって先天的に決まっており生涯で大きく変化しないとされている。この本では「無意識+魂」を「スピリチュアルズ」と呼び、「わたし」とはつまるところスピリチュアルズのもつ傾向のことである、という観点から、人間というものの本質的な特徴や様々な社会問題について考察されている。
 今日読んだのは、五因子のひとつである「楽観的/悲観的」について書かれている部分。近年、うつ病や終末期患者の不安などの症状に、LSDなどの幻覚剤が非常に高い治療効果を発揮するということがわかり、各国の精神医学会で注目されているらしい。うつ病の患者は自分が他者や世界から隔絶されているという苦痛を感じるが、幻覚剤によりその状態から解放され再びつながりを感じられるようになったという。この説明として、人間が進化の過程で身につけた強すぎる自己がうつ病の原因であり、幻覚剤には脳内の自己を司る領域(DMN,デフォルトモードネットワーク)の活動を抑制する効果があり、自己と世界の区別を一時的に消失させるはたらきをするためだという仮説が紹介されていて、とても興味深かった。

よしだ『コンビニ人間』村田 沙耶香
 いわゆる「普通」とは感覚が異なるであろう主人公は、子どもの頃、道端で死んでいる鳥を見て、お父さんが好きな焼き鳥にして食べたらいいのではないか、と思い、それを口に出す。当然周りは驚く。
 しかし、小鳥が埋葬されたそばには、引きちぎられて死んだ花が供えられていた。

 何が妥当なのかは、多数派がそう思っていることに引きづられているように感じる。すこしひねくれた考えをするとすれば、多数派のうちの少なくない人たちも元多数派に引っ張られて、多数派をさらに多数派にしているのではないかと感じることもある。
 少数派が多数派にむりに合わせる必要がない社会に、すこしは変わってきているのだろうか。

 まことに個人的な話で恐縮ですが、風呂好き・温泉好きの多数派数の厚さは多数派が多数派をつくり出した結果だと思っています!


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再掲となりますが、読書会の予定などの詳細はこちらをご確認ください。
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(吉田)

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