参加者に任意でいただいた読書感想を掲載します。10月7日(木)は2名、8日(金)は3名、9日(土)は7名、10日(日)は5名の参加でした(主催者含む)。
日曜日の「質問「 」について考える時間。」の質問は、
透明人間になれたらまずどこへ行きたいですか
でした。(田中未知著『質問』(文藝春秋)より)
10月9日:読みたい本を気ままに読む読書会
原有輝さん『名古屋美味しい店カタログ』
名古屋の本気が感じられた。久屋大通、エスカ、大須、亀島、清水、日間賀島など幅広く取り上げてあって興味深い。
Yukikoさん『ナナメの夕暮れ』
この本はコロナが始まった時期に本屋で偶然、手に取った本です。
コロナの世界が始まってステイホームという言葉が広まり、これからどんな世界が始まるのか不安になっていた時期でもありました。
若林君の書くくすっと笑えるエピソード、どうやって生きずらい自分を変えて行ったのかを書いたこの本は、不安な気持ちや毎日をこれからどう向かい合って生きて行くかを教えたくれた本でもありました。
若林君は純文学が好きで、読書家ということもあって彼の見た目?をいい意味で裏切る素晴らしいエッセイ本です。
私は彼がオススメする本(平野啓一郎のドーン)を読んで、平野啓一郎もファンにもなりました。
人生がつまらないと思った時に読むのにオススメの本です。
サヤマさん『ゼロで死ね』
人生でのお金お使い道を考えました。
よしだ『社会心理学講義』小坂井敏晶著
いろいろと常識が覆される、恐くておもしろい本。
意志はない(かも)、結果の前には原因があるわけでない(かも)、責任は社会秩序のためにつくられた(かも) などなど…。
一見過激なんだけれども、その新しいものの見方の先には、過度に人を縛り付けないような捉え方ができるようになりそう(かも)。
10月10日:テーマのある読書会「価値観の色々」
yuさん『理不尽な進化』
適応主義に対する論争を読んだ。グールドの適応主義批判では、適応主義は生物がいかに最適化されているかという問いをたて、いかにもっともらしい答えをそこに当てはめることができるかを競う。実際にそうであるかは別として。
世界とは、人間とは、知識とは。言葉におどらされるなあ。と思いました。
他の方も生物多様性や民俗学、波などを読んであり、1つの木に40?種類の蟻が住んでる熱帯やティラノサウルスの手はなぜ短いのかについてなど話しました。
よしだ『生物多様性』本川達雄著
熱帯雨林は生物多様性がすごいらしい。なんと1本の木に、43種類ものアリがいることもあるのだとか。
ものすごい万能で強い存在がいると、多様性は崩れるらしい。いろいろなニッチに特化した生物たちで多様性は生まれていく。
43種類のアリはそれぞれどんなニッチに特化しているのだろう。
mtさん『民俗学』宮田登著
全部で15章あり、そのうちの1章~3章を読み終わりました。1章は日常生活をターゲットとした学問の起こりと発達について、ヨーロッパや日本、アメリカなどから概説。2章は初期の民俗学者として、柳田国男、南方熊楠、折口信夫らを紹介。3章は民俗学のキーとなる「常民」という概念について紹介。さまざまな識者の主張が述べられていますが、最初に常民という言葉を使ったのは柳田国男とのこと。昭和10年頃に確定したとされる柳田の常民観によると、常民とはふだんの生活の中で普通としてやっていることを指すため、庶民や士族のような身分ではないこと、イギリスのcommonを使いたいことなどが述べられています。さらにそこから、常民を相対化する動きがあり、さまざまな内容の常民が研究されているそうです。
日常生活という雑多なものをどう集約していくのか、とても興味深い内容です。著者まえがきに「1990年」とあるので、現在の民俗学から見ると古い内容かもしれませんが、面白く読んでいます。
皆さまのお話も、とても興味深く面白かったです。ありがとうございました。
過去の読書感想はこちらに載せています。
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