2021.12.16

読書会の読書感想(12/15-12/19)

 参加者に任意でいただいた読書感想を掲載します。12月15日(木)は7名、19日(日)は5名の参加でした(主催者含む)。
 19日(日)の「おもしろい本屋さんについて。」で紹介された本屋さんはこのようなところでした。
本屋プラグ(和歌山県和歌山市)
書肆侃侃房(しょしかんかんぼう、福岡県福岡市)
NABO(長野県上田市)
B&B(東京都下北沢)
蔦屋書店 代官山T-SITE(東京都代官山)
toibooks(大阪府大阪市)
けいぶんしゃ(京都府京都市)
古書 十五時の犬(東京都高円寺)
アール座読書館(東京都高円寺)

12月15日:読みたい本を気ままに読む読書会

だいぽんさん『詩集 君の見ているものが僕に少しも見えなくても』
 難しくなく、平易で、読みやすい詩集でした。また、続刊を読みたいです。

yuさん『象の旅』
 旅をする時に象 人間、馬、ラバ、牛などさまざまな生き物がいて歩幅が違うから待つ場面がありました。これって人間だけいてもそうだよなあと思いながら読みました。参加者の方からポルトガルと象が結びつかないと言われて答えられなかったんですが、無理な場所に連れてこられてたからなと後で考えました。

 詩集を読んでいる方がいて、みんなが興味を持っていました。わたしも読んでみようかと思いました。

Yuさん『WIRED (Vol.40) Food :Re -generative』
 「真の意味でサステイナブルな食を考えると、自然を再生するために育てられた食べ物を食べるべき」という、割と尖った理念を提唱したWIREDの特集号でした。一方で、同号で紹介されていたレストランのコース料理の価格は2万5000円。サステイナブルって難しいなと感じました。

Soi Tomsonさん『最強脳』著:アンデッシュ ハンセン(訳:久山 洋子)
 この本のテーマ:最強脳になるには (”脳の能力を最大限に利用してポジティブに生活するには”と理解した)
 本書はスウェーデンの子供向けに出版された本で、大変読み進めやすい。

【感想】
 今回は本書の第3章「サバンナ脳」を読んだ。
 人間の脳はいまだサバンナでの狩猟生活に最適化されているそうだ。
 その後の農耕、産業、デジタル社会まで及ぶ年月は(人間が必要とする進化期間として)あまりに短く、これらの社会の変化に脳が追い付いていないらしい。
 つまり、現在の我々の脳のパフォーマンスを最大限に高めるにはサバンナ狩猟生活(ずっと体を動かす=運動)だと著者は述べている。全ての章で ”運動をすることで脳がご褒美をくれる”ということに帰結している。運動といっても散歩、サイクリングなど息が上がる動きであればなんでもよいらしい。

 グループディスカッションの方々が読まれた内容(ホモ ルーデンス、行動最適化最善)も我々の持つサバンナ脳と関係があるのかもしれないと感じ、大変興味深い。

よしだ『ホモ・ルーデンス』ホイジンガ著/高橋英夫訳
 人間の本質を「賢いヒト(=ホモ・サピエンス)」にではなく、「遊ぶヒト(=ホモ・ルーデンス)」に求めていこうとする本です。

 今回、言われてみればたしかに、と思ったのは、人は遊びで得た評価が、そのまま生活の場での評価になっていくということでした。遊びとは、食べる・寝る・危険を回避する、などといった生きるための活動とは空間的にも時間的にも一線を画して行われるものです。言ってしまえば、生活とは隔絶されたこと、ともみることができます。しかし不思議なことに、遊びで勝つ人には、みな、なぜか一目おきます。遊びが遊びで終わるわけではなく、生活のなかに混在してくるのです。遊びは人類社会になにをもたらしてきたのでしょうか。という本です、たぶん。

12月19日:読みたい本を気ままに読む読書会

だいぽんさん『下級国民A』赤松利市
 作者の生涯の一部を知ることができて、良かったと思いました。

つやまさん『こころと脳の対話』河合隼雄、茂木健一郎
 脳科学と心理学の専門家同士の対談で、科学万能主義の危うさなどの話が興味深いです。箱庭療法は砂の手触りを感じながら自由に人形を配置していくことでその人の意識化されていない心理が現れるところが醍醐味だが、科学万能主義が強いアメリカに輸入されると定量的な評価をしやすくするために砂が排されたり人形の数に制限が設けられたりなどの標準化が行われ、その本質が失われてしてしまったそうである。脳科学のクオリアも主観的な感覚なので科学的な手法での定量的な評価が難しいという点で、心と似ているそうである。
 今日はおもしろい本屋の紹介も(少ししか聞けませんでしたが)面白かったです。

Yukikoさん『学び続ける知性』
 本の表題を見て、読みたい!と思って手に取った本です。
 読んでから気付きました。ビジネス書でした。

 スティーブンジョブズはアイフォンを作った時に「私は私が欲しいものを作る!客は関係ない。」と言ったそうです。
 あの独自のデザイン、フォルム、そして何の説明もないホームボタンはジョブズの美意識そのものです。
 新しい時代を作るということ、イノベーションとはそういう普通の感覚とは違う、その人の信条、信念から生まれるものかもしれません。

原有輝さん『小さな声、光る棚』
 本屋Titleのこぼれ話。本屋の日常、創設秘話、本に対する愛情が溢れています。

よしだ『モード後の世界』栗野宏文著
 賃貸物件を探していると、「築浅」「三口コンロ」「追い焚き」「対面キッチン」などの言葉がおどる。写真でみると、新しくてハズレはなさそうにみえる。しかし実際に見にいくと、たしかにそういうものはついているのだが、どこか薄っぺらい。ウソはついていないのだが、どこか期待していたようなものではない。人を惹きつけるには冒頭のような言葉と仕様で十分なのだろう。でも満たされることはなく逆に欠乏が生まれる、ような気もする。
 この本は、ファッションのこれまでの潮流をふまえた上で、これからの姿を思考しているような本だ。バーニーズニューヨークの経営破綻やファストファッションブームの終焉についても触れられていた。どこか、僕がいつも最近の賃貸や分譲のマンションに感じていたことが書かれていたような気がした。


 過去の読書感想はこちらに載せています。

読書会参加者に投稿いただいた読書の感想です(2022年10月-)。

 

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(吉田)

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