参加者に任意でいただいた読書感想を掲載します。7月13日(水)は4名、16日(土)は5名、17日(日)は3名の参加でした(主催者含む)。
日曜日の「質問「 」について考える時間。」の質問は、
記号に色をつけるとしたら「A」には何色をつけますか
(田中未知著『質問』(文藝春秋))
でした。Aをアルファベットの「エー」とするのか「エース」と読むのかという問題とか、赤とか青とかではなく感情色というものもありなのではないかとか、そんな話をしました。
7月13日:読みたい本を気ままに読む読書会
yuさん『JR上野駅公園口』
東京オリンピック前に東北から出稼ぎにきた主人公が、高度経済成長ののちホームレスになる物語。2020年の全米図書賞受賞作です。
今日読んだところは、東京の前に北海道での出稼ぎ、進学を希望する兄弟のための出稼ぎっていうところまで。12年の構想があり,小説というよりルポのような感じがしています。
よしだ『センス・オブ・ワンダー』レイチェル・カーソン著/上遠恵子訳
レイチェル・カーソンの『センス・オブ・ワンダー』に、4人の科学者や作家の寄稿を加えた本になっています。今回は福岡伸一さんの寄稿を読みました。
子どもの頃のあの出来事というのは大人になっても忘れない。そして周りが思ってもみないような捉え方をしている。そんなことを思いました。
7月16日:読みたい本を気ままに読む読書会
キッコーマンさん『僕はイエローでホワイトでちょっとブルー』
傾聴のコツは気になっていた本なので聞けてとてもうれしかったです。とても楽しかったです。
よしだ『センス・オブ・ワンダー』レイチェル・カーソン著/上遠恵子訳
今日は若松英輔さんの寄稿の部分を読みました。『沈黙の春』にも触れられており、カーソンが生物学者(科学者)なだけではなく、詩人的であり自然環境の信仰者(?)であるという複眼があったから、他の多くの人が気づかなかった自然の均衡の崩れに気づくことができたという指摘は興味深かったです。複眼性が高いことが気づき力(?)を高めてくれるというのは、なんとなくわかりますがうまく説明ができないので、そのうち考えてみたいと思いました。
7月17日:読みたい本を気ままに読む読書会
yuさん『中動態の世界』
わたしたちは、能動か受動かで物事を眺めている。強制か自発かでない中動態の世界のあるそうだ。ギリシャ語の動詞には、能動態と受動態と中動態の3つがあるらしい。今日は文法のところを読みました。
日頃のもやもやはこれかな?とすこし思いました。
よしだ『プルーストとイカ』メアリアン・ウルフ著/小松淳子訳
文字は身近にありすぎるから、元々そのようなかたちでそこにあったような気がしてしまいますが、違うのだということが少しずつ理解できてきました。
日本語では平仮名と漢字がありますが、それらは大きく異なります。平仮名は話し言葉の音をそのまま表現したものでそのまま読めます。でも漢字は、話し言葉の音ではなく意味を表す象形文字です(たぶん)。家や象などは表す対象の形を文字で表現しています。
それに対して英語や中国語は、そのどちらか一方の文字形態なのだと思います。アルファベットで構成される英語は平仮名的で、中国語は漢字のみです。いろいろと文字を開発・思案するなかで分かれ道があり、どちらかの形態が選択されていったのだと感じられました。日本語は、私のあいまいな知識ですが、平仮名は元々あって漢字は中国からの輸入だったと思います。
そしてそのような文字の形態の違いは、脳の使い方にも違いを及ぼします。英語脳・中国語脳・日本語脳と紹介されていましたが、それぞれで脳の活性化される箇所が異なるということでした。人間は思考するとき、言葉をつかっていると思っています。文字は記憶の定着や想起に役立っているような気がしなくもありません。だからどのような言語や文字を選択するのかが文化や社会に影響したりしているのではないかと思ったりもしました。
過去の読書感想はこちらに載せています。
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(吉田)