2022.10.31

読書会の読書感想(10/28-30)

 参加者に任意でいただいた読書感想を掲載します。28日(金)は5名、30日(日)は9名の参加でした(主催者含む)。

10月28日:読みたい本を気ままに読む読書会

yuさん『兎の眼』
こどもと新任の先生の話。第二次世界大戦くらいで1974年に書かれた児童小説です。
ハエをペットとして飼っている無口な少年の話に、何事にも理由があり社会は決めつけや思い込みて判断されがちだなと思いました。

他の方の読んでいた90歳の否定しがちな哲学者の話や細胞が入れ替わっている話が印象に残りました。広い視野って持てたらいいけどどうしたらいいんだろうか。

よしだ『新版 動的平衡』福岡伸一著
 生命観について書かれています。印象的だったのは以下の一節です(P261)。

「環境は常に私たちの身体の中を通り抜けている」

たとえば食事をするとそれがそのまま食道・胃・腸を通して排泄されるわけではありません。食べ物を構成する物質が細かく分解されて全身の細胞一つ一つに吸収され新たな細胞として身体を構成していきます。そして同時に、元からあった細胞は外に出ていきます。そうやってどんどんと身体は入れ替わっています。それを著者は「環境は常に私たちの身体の中を通り抜けている」と表現しているのです。食べ物も植物や動物といった周囲環境であり、呼吸によって取り込んでいる大気も環境です。
 私を通過するのは物質だけではないはずです。人の話を聞いて誰かに伝える時、それは私を通過します。そして無意識に、あるいはサービス精神を込めて、尾ひれをつけて伝えることで話の内容は変容していったりします。誰かに何かを教えるにしても、元は誰かから教えられたことを、自分なりに理解したり経験を継ぎ足したりしながら教えているはずです。私を通過するものはたくさんあります。
 そう捉えると自分がフィルターになったような気分になりまして、定期的にクリーニングしておこうと思いました。


過去の読書感想はこちらに載せています。

読書会参加者に投稿いただいた読書の感想です(2024年10月-)。

 

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