2022.12.19

読書会の読書感想(12/13-18)

 参加者に任意でいただいた読書感想を掲載します。13日(火)は2名、14日(水)は4名、17日(土)は9名、18日(日)は8名の参加でした(主催者含む)。
 日曜日の「質問「   」について考える時間。」の質問は、

人は何歳まで生きるのがよいと思いますか

田中未知著『質問』(文藝春秋)

でした。

12月13日:読みたい本を気ままに読む読書会

おおにしさん『世界史との対話(中)』小川幸司
モーツァルトの生きた時代から世界史を学ぶことは、私のような歴史嫌いには適している。
こういう授業をしてくれる先生から歴史を学びたかったと思う。

読書メモより
・モーツァルトの出身であるハプスブルグ家統治のウィーンは東西ヨーロッパの異なる文化が融合する文化都市であり、音楽家モーツァルトが才能を開花させる土壌となった
・映画「アマデウス」でサリエリはモーツァルトを殺したいほど憎んでいたライバルと描かれていたが、実際はモーツァルトの才能のよき理解者で協力者だった
・モーツァルトの不遇な晩年の原因は神聖ローマ帝国とオスマン帝国との戦いが始まり貴族たちが音楽を楽しむ世相ではなくなったこともあるが、ウィーンの聴衆が彼の音楽の斬新さについて行けなかったために仕事が減ったいうのも原因だったらしい
・モーツァルトとフリーメイソンの関係はとても興味深いので調べてみたい

*生物地理学というジャンルの学問があることを参加者から教えていただき、研究内容に大変興味をもちました。

12月14日:読みたい本を気ままに読む読書会

Soi Tomsonさん『サウジアラビアを知るための65章』中村 覚(編著)
本書は2007年に出版されており、現在とはかなり状況が違うがサウジアラビアという国の成り立ちを知るにはとても良い本である。

第一章で西暦500年代ムハンマドの誕生、イスラム教の始まりが書かれている。その後一気に18世紀まで時は過ぎ、その当時イスラム教はサウジアラビアのみならずイスラーム世界全域が停滞期だったようである。サウジアラビアでは部族ごとの土着の神を信仰していたとあった。それが偶像崇拝であったり、占いや願掛けが蔓延っていたらしい。
イスラム教戒律(戒律といってよいのか?)の厳しい現在のサウジアラビアの人々の生活を見ていると想像もつかないが、人間は環境の変化によってどうにでもなる生き物なのだと改めて感じた。

また、参加されている方より”野球のメッカ甲子園”のようなみんなが憧れる聖地のような意味で使われる ”メッカ” という表現は、現在の日本において公共の場では注意すべき言葉なのだとか。イスラム教国などから意見があったのだろうか。今度ムスリムの人に意見を聞いてみたい。

紹介された本の中に、探偵を探偵する本が興味深かった。お金で雇われて探偵をしその行動が結果的に殺人事件のほう助になっているような事は、現実世界でもありうるのではないかと感じた。

12月17日:読みたい本を気ままに読む読書会

てらもっち7等兵さん『絶望の精神史』金子光晴
明治・大正・昭和を生きた詩人。欧州、アジアを放浪した金子光晴が振り返る日本人。絶望があるはずなのに、学びが少ない日本人について語る本。

日本人は、江戸幕府、幕末、戦後、原爆、福島事故といろいろな転機があったのに、本質を見ずに変わろうとしない。いや、世界のものを取り入れ、柔軟にAdoptしていくといったほうがいいのか。

金子光晴の大正、昭和の回顧は、リアルで、人々の心の動きや生活までも身近にあるように感じた。我々が、転機や時代の変換点、世代交代などといってきたが、実際にはあまり代わり映えしない日本。彼が生きた日本は、もっと変化の大きい時代だったはずだが、金子は、その中でも変わらない日本人性を見抜く。
 海に囲まれ、国家観など育ちようのないなかで、摺あわながら、そして海外ともすり合わせながら来た日本。
 結局、日本人の性向自体は、今も、あまり変わっていないと感じた。


 過去の読書感想はこちらに載せています。

読書会参加者に投稿いただいた読書の感想です(2022年10月-)。

 

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