2023.05.08

読書会の読書感想(5/6-7)

 参加者に任意でいただいた読書感想を掲載します。6日(土/午前)は8名、7日(日/午前)は9名、7日(日/夜)は5名の参加でした(主催者含む)。
 土曜日の「質問「   」について考える時間。」の質問は、

もし五十平方センチメートルの土地を与えられたらどのように使いますか

田中未知著『質問』(文藝春秋)

でした。

5月6日(土/午前):読みたい本を気ままに読む読書会

tetsuさん『ロボット-RUR』 カレル・チャペック (著), 阿部 賢一 (翻訳)
今読み進めている『分解の哲学 ―腐敗と発酵をめぐる思考』という本の中でチャペックについて取り上げられており、とりわけこの戯曲の扱うテーマに興味を惹かれ読むことにしました。
本作が誕生したのは1920年のチェコスロバキアで、今から大体100年前にあたります。この作品によって「ロボット」という言葉が生まれたと言われており、当時の人々に大変なインパクトを与えるものだったのだろうと想像します。そしてこの時代に、機械がやがて知性を持ち、人間を超えていくであろうことの予測と、人間が取って代わられるというディストピアを想像した人がいたことは驚くべきことだと思います。ChatGPTをはじめとするAIの進歩が世の中をにぎわせている今だからこそ、よりリアリティをもって迫ってくるものを感じました。
全体として、ロボットとの対立を通じて人間存在の負の側面を浮き彫りにするチャペックのシニカルで鋭い視点が強く印象に残りました。また、「人間を労働から解放することがはたして豊かな社会につながるのか」というこの作品全体に流れる問いかけには揺さぶられるものがあります。AIは「コミュニケーション」や「創造」の領域では人間に及ばないといった言説をよく耳にしますが、AIがもたらず便利さや快適さはその創造性の源となる体験を損なうことにつながらないかなど、いろいろもやもやは尽きません。

あと、今日は漫画を読まれていた方がおられ、その面白さについてお聞きできたのも新鮮でした。ファンからの根強い支持を受けている『バキ』や、映画にもなった『キングダム』、あとは『ゴールデンカムイ』といった作品名が挙がり、また手に取ってみようと思いました。今日もありがとうございました。

5月7日(日/午前):読みたい本を気ままに読む読書会

tetsuさん『ティク・ナット・ハンの般若心経』ティク・ナット・ハン (著), 馬籠 久美子 (翻訳)
今日は14章を読みました。全18章ですので、ようやく終わりが見えてきた感じです。般若心経の「空」の思想は以前から関心のあるテーマなのですが、ティク・ナット・ハン氏がやさしく説明してくださっていてもやはり難解です。挫けそうになるのを何とか踏みとどまって読み続けられているのはこちらの読書会の存在が大きいと感じています。いつもありがとうございます。
今日読んだ箇所は、「無智亦無得 以無所得故」(智慧も悟りも、独立した実体ではない。これがわかった者は、何も得る必要がなくなる)という一節です。悟りは得るものというイメージがありますが、掴むことを手放すことによって体験できるものとありました。仏陀になろうと追い求めなくても、仏性はすでに人間のなかに備わっているのだと、ここでも「相互存在」の考え方が示されています。
悟りを得ることは考えていないにせよ、今の私には何も追わずに生きることを実践するのは難しそうです。ただ、「私」は私以外のものから成り立っている、さまざまな因果を経て今の自分が立ち現れていると捉えたとき、「まあ、しょうがないか」というある種の小さな肯定感が生じるのを感じます。「これじゃいけない」と現状を否定するところから見える景色と、「それでいい」と今を受け容れたところから見える景色とはやはり違うだろうなと思いますし、同じ前に進んでいくのであれば後者の方が幸せな道になるのではないかと思いました。般若心経が示す境地とは程遠いですが、相互存在の考え方を自分なりに生かしていきたいと思います。

5月7日(日/夜):読みたい本を気ままに読む読書会

yuさん『重力と恩寵』シモーヌ・ヴェイユ
 筑摩文庫の田辺保訳で読みました。「脱創造」のところで、「人は自分が捨てるものだけしか、所有しない」という箇所が印象に残りました。一粒の麦を例にして「自分をしばりつけておいたエネルギー」を解き放ち、物事の真の関係に預かりうるような自由なエネルギーを得るためには・・・・生きていてはヴェイユのいう高みを知ることは難しそうだと思いました。
星の王子様が話題に上がりました。みんな読んでいるようだけどどうかな?その場にいた方は読んでいました。「大事なものは目に見えない」その有名なフレーズがやはり重要なのだろうな。


 過去の読書感想はこちらに載せています。

読書会参加者に投稿いただいた読書の感想です(2022年10月-)。

 

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