参加者に任意でいただいた読書感想を掲載します。7日(水/夜)は7名、10日(土/午前)は7名、11日(日/午前)は11名、11日(日/夜)は6名の参加でした(主催者含む)。
日曜日の「質問「 」について考える時間。」の質問は、
あなたの好きな薬を三つあげてください
田中未知著『質問』(文藝春秋)
でした。
6月7日(水/夜):読みたい本を気ままに読む読書会
yuさん『世界は贈与でできている』 近内悠太
この読書会で知って読んでいます。資本主義経済の中でお金で買えないものとはなにか。私は、普段差し入れやお土産は不要だと考えていたのですがこの本を読んで考えを改めました。贈与を知らずに受け取っている。この世界は当たり前ではないんだと改めて考えました。贈与を受けたと知るのには知性がいるそうです。
6月11日(日/午前):読みたい本を気ままに読む読書会
ラムセス二世さん『大どろぼうホッツェンプロッツ』
手に取ることのない本のことを知ることができてとても楽しかったです。少し数学の知識も欲しいなぁとか、意外に白鯨とかの名作読んでないなぁとか、紹介された本原作の映画がお気に入りの映画館で上映予定があってラッキー!とか…..雨の日曜日、世界がちょっぴり広がってうれしかったです。
Takashiさん『仕事に役立つ数学』西成活裕
数式使って予測しました!って方がかっこいいし、なんとなく納得してもらえるし。そんな不純な動機を持っている人にもお勧めです。色んな所を省略しているとはいえちゃんとした数式を使った数式の解説本なので、ベースはちゃんとしています。西成先生ですし。
tetsuさん『〈弱いロボット〉の思考 わたし・身体・コミュニケーション』岡田美智男
このところの目覚ましいAIの技術革新を体感する中で、果たしてこうしたテクノロジーは人を豊かにするのか、どのように付き合っていくのがよいのかと、とりとめもなく考えるようになりました。以前読んだ『弱いロボット』 (シリーズ ケアをひらく)と同様のテーマと思われますが、本書にはそのヒントがあるような気がして(後に出版されている分+αがあることに期待して)手に取りました。
今日は1章「気ままなお掃除ロボット〈ルンル〉」の途中まで読みました。印象的だったのは、「目の前の対象の振る舞いを引き起こした要因を探るとき、その対象の内側で起こっていることに帰属させやすい」という人のもつ認知バイアスと、お掃除ロボット(某ル○バのイメージです)に対して私たちが抱き得る思考あるいは感情との関連が示されていたことです。ロボット側にしてみれば目の前に迫りくる椅子やテーブルの脚といった刺激に随時反応しながら「シンプルに」動いているだけに過ぎない。でも、それを見ている私たちは、ぶつかりながらも方向を小刻みに変えてごみを探し歩き、何度も同じところを行ったり来たりすることに対して「健気さ」であったり、一定のお仕事を終えたあとに少し速度を落として充電器に舞い戻っていく際の「ちょっと疲れた」様子を感じ取ることができる。ここに人とロボットとの間に成立しうるコミュニケーションの鍵があるように思いました。
若干本筋と外れた内容を挙げてしまいましたが、このお掃除ロボットのように「周囲とのかかわりを上手に利用すること」は、私たちの抱える生きづらさをほぐしてくれる可能性を感じます。そんなことに思いを巡らしながら読み進めていきたいと思います。
また、今日もハンナ・アレントの話題が出ていました。みなさん関心を持っている人物でありテーマであるようで、難解ではあるけども気になってしまうなにかを私も感じています。みなさんとハンナ・アレントの1冊を取り上げた読書会をしたら楽しいだろうなと思いました。今日もありがとうございました。
yuさん『帰れない山』パオロ・コニュッティ
山に生きる男と街に暮らす男。子供の頃からの友情があってうまくいかない時でもお互いに心の支えになっているようなところが地味に心に沁みました。雄大で残酷なアルプスの自然描写が美しいです。
過去の読書感想はこちらに載せています。
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