2023.07.03

読書会の読書感想(6/28-7/2)

 参加者に任意でいただいた読書感想を掲載します。28日(水/午前)は6名、1日(土/午前)は8名、2日(日/午前)は8名、2日(日/夜)は4名の参加でした(主催者含む)。
 土曜日の「質問「   」について考える時間。」の質問は、

偶然は必ず運が支配すると思いますか

田中未知著『質問』(文藝春秋)

でした。

6月28日(水/午前):読みたい本を気ままに読む読書会

よしださん『ジャパンアズナンバーワン』エズラ・F・ヴォーゲル著/広中和歌子,木本彰子訳
 アメリカの社会学者がアメリカの傲慢と停滞を戒め再興を願うにあたって、日本をひとつの見本にして書いた本です。1979年に日本語訳が発売されたようです。
 基本的にアメリカが衰退し日本が興盛しているという前提で書かれていますが、失われた30年を生きてきた僕にとっては今と逆だなと思い不思議な感覚に陥ります。本当に過去の日本がすごかったのか、それとも環境が変化したことで日本はあまり変わっていないのだけど結果的に衰退したのか。僕としては外的環境の変化による自己の評価の変化みたいなことに興味があり、それと日本とを照らし合わせながら読んでみたいと思っています。

7月1日(土/午前):読みたい本を気ままに読む読書会

yukiko ohbaさん『悪女について』
NHKで現在、ドラマでやっているので、
原作を読んでみたくなって読んでみました。
昭和58年に書かれたものですが、現代でも通じる面白さ、古さを感じさせないストーリー展開はきっと後世に残っていく普遍的な作品なんだろうなあと思いました。
主人公を回り取り巻く人物達が主人公を語るインタビュー形式で話は進んで行きます。
一人の人物、一つに事象を語っていくというそのスタイルはその人自身が自分自信を語るより、起こっている事象、心情を浮び出して神の目線を見ているようで、
面白かったです。
こういう主人公って今も生きていると思います。
多分、東京のタワマンあたりで。

思い通りに生きた主人公ですが、
思い通りにいかなかったのは、本当に好きな人との結婚と自分の子供。

人の心を変えることは自分がどうやったって、無理なものは無理ですよね?
人間って案外平等かも?と思えた瞬間でした。

7月2日(日/午前):読みたい本を気ままに読む読書会

Takashiさん『デジタルネイチャー』落合陽一
 ATを駆使した疑似感覚や疑似体験は、近い将来本物の感覚や体験と融合し、「本物」と「疑似」の境い目を曖昧にし、社会システムに浸透していく。それがいかにして為されるかが紹介されている。
 著者は物知りな人なので、それに紐づく文化、哲学、経済諸々の文献を注釈として大量に記載している。インデックス的に良い本だ。

7月2日(日/夜):読みたい本を気ままに読む読書会

yuさん『ハドリアヌス帝の回想』ユルスナール
ハドリアヌス帝は、スペイン出身のローマ皇帝で、異常な多才の人だったようです。1人称の肉声で想像的自伝になっています。心理小説と歴史的冥想になっており文章が美しいです。今日読んだところで、あらゆる不正については諸々の天球の超和音を乱す・・の表現が印象に残りました。


 過去の読書感想はこちらに載せています。

読書会参加者に投稿いただいた読書の感想です(2022年10月-)。

 

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