2024.02.12

読書会の読書感想(2/6-11)

 参加者に任意でいただいた読書感想を掲載します。6日(火/午前)は2名、10日(土/午前)は4名、11日(日/午前)は8名、11日(日/夜)は4名の参加でした(主催者含む)。

2月6日(火/午前):読みたい本を気ままに読む読書会

よしださん『労働の思想史 哲学者は働くことをどう考えてきたのか』中山元著
 今日はもう終盤で、労働の分類がされて、それらがAIに代替されるのかという話までいきました。ただ、AI代替話はほんの少しにとどまり、なんとなく時代に合わせて後付けされたのかな?という印象でした。それでも、各時代を追うことができたことには変わりなくこの本自体には満足です。
 労働の分類については、肉体労働・精神労働(知的労働)・感情労働(サービス業)・依存労働・承認労働などが提示されていました。読書会では主に依存労働について話されました。
 依存労働とは、幼児や高齢者や障害者などの自律して生活することができない人たちへ必要なサービスを提供することという定義でした。主には福祉関係の仕事や、あとは賃金労働ではありませんが家事・育児全般ということになります。本の中ではこの仕事の大変なところは、(表現はあまり良くありませんが)依存労働からは手を離しにくいところだと書かれていたような気がします。なぜなら、それなしに生活できない人が相手の仕事ですから「やっぱりやめた」というわけにはいかないからです。法人としてサービスが提供されている場合などは代わりの人にやってもらうということもできますが、育児などはそういうわけにはいきません。この点において、依存労働は他の仕事とは一線を画するなと思いました。必要性が高いが故に一度手を結んだら離すことができない。やりがいがあるとなる場合もあるとは思いますが、一人で背負い込むのではなく複数人で協力するというのが前提の労働なのではないかと漠然と思いました。

2月10日(土/午前):ハンナ・アレント『人間の条件』のプロローグを一緒に読む会。 #6

yuさん
未来人は人間に与えられた存在条件に対する反逆に取り憑かれている。って?
そうした真理は首尾一貫して語ることはできない、知識と思考が永遠に別れたままになるって?前回の復讐も交えて。社会という領域について表で示していただきました。

2月11日(日/午前):読みたい本を気ままに読む読書会

Takashiさん『ギリシア・ローマ神話』
岩波文庫の本です。何だか短編集を読んでる気分になりますが、その娯楽性の高さに驚かされます。

それだけじゃなく、言葉や慣用句の元ネタとか聖書や多くの哲学書にも引用される話があるので知識面でもおすすめです。

よしださん『世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論』カルロ・ロヴェッリ著/富永星訳
 量子力学を使って話が展開されていくのですが、著者は分かりやすく書いてくれています。なのですが、分かりやすく比喩的に描かれるほど理解が遠くなる気もしていて、やっぱり数学とかしっかり使った説明を読まないといけないのかな、とも。
 世界というか現象というか、そういうものの説明に量子力学が用いられることも何度かあり、それを知らないとそれに対して思考することもできません。直感的にはなんだか良くわからない分野なのですが、知ったらどうなるのかなという好奇心もあり、少しずつでも理解を深めていきたいと思っています。

2月11日(日/夜):読みたい本を気ままに読む読書会

yuさん『うるさいこの音の全部』 高瀬隼子(たかせ・じゅんこ)
文学賞受賞後の作家の身の回りにおきたことを多分リアルに書いてある。割と友達はいない(いらない?)と思い込みたい?タイプの主人公。
「この世には悪い人しかいない」と言い切っているところにそうかもしれないなと。何の辛いことがあったかな?と。人との微妙な距離感や違和感の表現が細かく書かれていました。

eimiさん『舞踏会へ向かう三人の農夫』 著者リチャード・パワーズ
450頁弱(しかも二段組)で全27章で構成されているの長編小説。
今日で第3章まで読み進めたが、ここまで各章で時代、舞台になっている土地、登場人物が違う。
え?これは短編集の間違いじゃないの???と思ったり…。
こ…これは何の物語なんだろう???戸惑いつつも、こういうのは後々になって「この話に繋がっていたのか~!」という興奮が来るものと期待が膨らむ。
が、読書会で述べた感想はしどろもどろでお恥ずかしい限り。
良ければ後で本の表紙だけでも見てみてくださいと申し上げたら、進行のゆかりさんがチャットにみすず書房のサイトを貼ってくださり、私も初めて見たのだがそこに物語の概要が書かれていて少し理解できた。
これはまだ第3章まででは理解が追い付かない…、かなり壮大な展開となるらしい。
主人公が一人ではなくて、主軸なる人物が複数いて絡まりあっていく様子なので冒頭から斜め読みすると後々後悔しそう。
頑張って読了したい。

読書会の後のお話タイムでは今年の大河ドラマを皆さんもご覧になっていらっしゃってて、そちらの感想も共有でき楽しかったです。
まだ初々しいまひろと道長がこれからどんな風に心持ちが変遷していくのか楽しみですね。
登場人物のほとんどが「藤原姓」ですが、こちらはゆるゆる観てもそんなに混乱しなさそうです、多分。
『舞踏会へ向かう~』の方は…、入り組む人々の名前を頑張って覚えます。


 過去の読書感想はこちらに載せています。

読書会参加者に投稿いただいた読書の感想です(2022年10月-)。

 

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