参加者に任意でいただいた読書感想を掲載します。4日(水/午前)は3名、6日(金/夜)は3名、7日(土/午前)は3名、7日(日/午前)は名、7日(日/夜)は名でした(主催者含む)。
土曜日の「質問「 」について考える時間。」の質問はこちらでした。
覚えている夢の量と忘れてしまった夢の量ではどちらが多いですか
田中未知著『質問』(文藝春秋)
9月4日(水/午前):読みたい本を気ままに読む読書会
kayoさん『ヘルシンキ生活の練習』朴沙羅
「問題なのは、私が「私が何者なのか」と悩まなければならないような状況のほうではないか」(p.8)
相手は、こちらと比較して優れているわけでも劣っているわけでもなく、単に違うだけではないか。その違いは、ときに腹立たしく、ときに面白いものではないか。(p.13)
この辺り、自分が生活の中で感じていたことが言語化されていて、読み進めるのが楽しみになりました。
よしださん『傲慢と善良』辻村深月
この本を読んでいると、小坂井敏晶という人が「二人称の関係」ということについて書いていたことを思い出します。一人称は自分、三人称は彼・彼女でありどこかの誰かです。二人称とはあなたであり、自分と直接関係を結ぶ人です。二人称の関係というのは、比較のしようもない唯一無二の人であり、主観的なもの。たとえば、友達や仲間というのは二人称の関係。俺の友達よりお前の友達の方が優れていていいな、ということにはなりません。自分はただその人たちと仲がいいのであって、そこは比べられないし比べようとも思わないはずです。
この本は恋愛というか婚活を軸にして話が展開されていくのですが、ここに登場する二人の関係はどこか三人称的だなと思って読んでいます。二人称の関係というのは、考えてみるととても説明しがたいものです。
9月6日(金/夜):読みたい本を気ままに読む読書会
こはくさん『闇の中のオレンジ』
短編集のお話しで、不気味で不思議な物語に引き込まれました。他の参加者から100年の孤独に似たワードがあると聞いて、そちらの本も読んでみたいと思いました。
9月7日(土/午前):読みたい本を気ままに読む読書会
よしださん『傲慢と善良』辻村深月
終盤を読んでいます。今日読んだところからは、自立というテーマが浮かびました。それは子供が大人になるという意味ではなく、しがらみのない世界に身を置いて自立が促されるというような意味合いです。
地元にいれば両親がいて、昔から浸かっている空気感がある。東京にきたら東京にきたで、都会に飲まれる感じもある。それを経て、今また別の場所にいる。仕事もやめてボランティアのような感じで来ているから、義務や、ここでミスしたらやばいみたいなのもない。ただ、思うが通りに動いて、目の前のことに力を掛けます。周りの人たちも、同じように事情があって来ているから何を聞いていいのかダメなのか探り探り。それは、決められた関係があるわけでもなく、押し付けも依存の促し(誘因)もなく、自立を必然的に求められるものであるように思いました。
9月8日(日/午前):『死に至る病』本章最初の4ページを読む会 #6
よしださん
神がマネージメントする世界から自分でマネージメントする世界へ、その変化のあとの人間の精神性が描かれているように感じました。
私も本当に最初の方だけ読みましたが、やはりかなり難解で…。先に読まれた方が解説してくれるのはありがたいです。
ただ、この本に人生を変えてもらった(変えられた?)という方もいて、要旨を掴みつつも、やはり自分で読むことでしか得られないことがあるのだろうとも思いました。すぐに読み切るのは難しいですが、少しずつでも気が赴いたときに読んでいこうと思います。
ありがとうございました。
9月8日(日/午前):読みたい本を気ままに読む読書会
Takashiさん『カラマーゾフの兄弟』ドストエフスキー
早熟な少年コーリャ・クラソートキンの話を50ページくらい読みました。
思春期の少年の成長は速く、大人への対応の変化にいち早く現れます。これをドストエフスキーは非常にきめ細かく且つ端的に描いていきます。その分展開が目まぐるしいので、ついつい読み飛ばしてしまっていた部分も多いと気付きました。この部分を読んだのは2度目でしたが、けっこう新鮮に(笑)読むことが出来ました。
9月8日(日/夜):読みたい本を気ままに読む読書会
こはくさん『花まんま』朱川湊人
2025年の春に『花まんま』が映画化すると知り、原作を読んでみました。短編小説で、
とても読みやすく頭に情景が浮かび、昭和の懐かしさや切なさを感じました。何度、読み直しても面白い本だと思いました。
他の参加者の方も、映画化を知っていらっしゃって、気になっていたと話されていたので、参加して良かったと思いました。
yuさん『結婚/毒』トーヴェ・ディトレウセン
デンマークの女性作家の回想録です。3部作のうちの青春時代を読みました。感想のシェアのときに同じ時代(100年前くらい)に私小説は珍しかったとお聞きしました。労働者階級の女性と子供について書いた作家はそれまでいなかったそうです。今日読んだのは青春時代で、堅信礼という儀式が終わったら大人で高校にはいかせてもらえずにメイドの仕事をすることになったところです。抑圧的な家族環境が描かれています。
過去の読書感想はこちらに載せています。
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