参加者に任意でいただいた読書感想を掲載します。21日(土/午前)は7名、22日(日/午前)は3名、22日(日/夜)は4名の参加でした(主催者含む)。
9月21日(土/午前):読みたい本を気ままに読む読書会
Takashiさん『カラマーゾフの兄弟』ドストエフスキー
新潮文庫下巻の最初の方、早熟の13歳の少年コーリャがカラマーゾフ3兄弟の末っ子アリョーシャ青年と会話する部分を読みました。
恐ろしく高度な議論をふっかけるコーリャ少年が、心の中では「大人に見られたいという気持ちを見透かされたくない」と思うところや、アリョーシャ青年から「君はまだ13歳だよね」と言われて「あと二週間で14歳です!」と思わず言ってしまうコーリャの子供っぽさとか、ドストエフスキーはほんと上手いなあ~です。
9月22日(日/午前):読みたい本を気ままに読む読書会
よしださん『エルサレムのアイヒマン 悪の陳腐さについての報告』ハンナ・アーレント
アイヒマンは、罪を認めない。しかし、それは自分では殺人行為をしていないし、命令も出していないから。だけど、(確か)毒ガス室の設計には携わっているから、殺人幇助であるとは認める。そして、殺人行為はしていないが、それはその命令が自分にはなかったからであって、命令されていればそれもやっていたと認める。
精神鑑定などでは異常は認められないし、特に危険な思想を持っているわけでもないとされた。エルサレムでの裁判は1960年で戦後15年経っているが、その間妻と子供とごく普通にかは分からないが生活を続けていた。模範的な父親であったとの報告もある。
組織の外では、普通の人である。非人道的な行為に加担している人間であるとは思わないだろう。人そのものには善も悪もない。ある状況、あるシステムの中において、客観的に善とか悪とか言われる行為をするに過ぎないのだろう。アイヒマン、そこらへんにいたらどうしよう、と思った。
9月22日(日/夜):読みたい本を気ままに読む読書会
yuさん『19世紀ロシア奇譚集』より 『指輪』 エヴゲーニー・バラトゥインスキー (1832)
ロシアの貧しい貴族が農民たちを助けることを義務と心得て借金をすることになり・・頼み込んでも誰も貸してくれない中、隣人のつましい生活をしている大地主の所に行ってお願いする話でした。なぜか貧しい貴族の持っている指輪が元大地主の指輪だった!と話がくるくる展開していきました。登場人物も作者も名前が長すぎて覚えられないなあ。短い短編が文庫の中に7つ収められています。
過去の読書感想はこちらに載せています。
〈読書会について〉
事前読書のいらない、その場で読んで感想をシェアするスタイルの読書会を開いています。事前申込をあまり求めない、出入り自由な雰囲気です。スタンスや日程などについてはこちらをご覧ください。