2024.09.30

読書会の読書感想(9/24-29)

 参加者に任意でいただいた読書感想を掲載します。24日(火/午前)は3名、28日(土/午前)は2名、29日(日/午前)は4名でした(主催者含む)。
 日曜日の「質問「   」について考える時間。」の質問はこちらでした。

エスカレーターとエレベーターではどちらが好きですか

田中未知著『質問』(文藝春秋)

9月24日(火/午前):読みたい本を気ままに読む読書会

よしださん『エルサレムのアイヒマン 悪の陳腐さについての報告』ハンナ・アーレント
 前回までは、アイヒマンが整然と容疑を否認するところでした。感情的にというよりも、理路整然としている主張でした。今回はアイヒマンの生い立ちについてアーレント調べなのか、書かれていました。
 父親は会社の役員で家はおそらく裕福、そのなかでアイヒマンは学業など今いちパッとせず父親に高校を辞めさせられる。就職は親戚の紹介で何とか入ったという感じのようですが、最終的には解雇されます。その後、秘密結社のような集団に属しますが、無礼を働いて追い出される。その後に行き着いたのがナチ党の党員でした。
 アイヒマンはナチ党に入りたかったわけではありません。ヒトラーの書いた『わが闘争』も読んでおらず特に心酔などはしていなかった。それでも任務を忠実にこなし中佐にまでなったようです。
 アイヒマンは、どこかに属せずにはいられない、それは誰でもが感じるであろう孤立を避けたいという気持ちが強かったようです。そして何かを成したいという気持ちもそれなりに強かったようにも書かれています。それで所属できる先として行き着いたのがナチ党でした。

9月28日(土/午前):読みたい本を気ままに読む読書会

よしださん『ヨーロッパ近代史』君塚直隆
 ヨーロッパの近代を1つの本・物語としてまとめている本です。さすがに急ぎ足なので各時代や出来事のことは深められませんが、流れをつかむという意味ではとても良い体験です。
 今日はもう終盤に差し掛かっていて、日露戦争後・第一次大戦前のロシアについてでした。ロシアのことも詳しく理解できたわけではありませんでしたが、感じるのは日本との違い。
 ヨーロッパ諸国は、国境間のいくつもの戦争や思想のぶつかりのなかで今のような民主主義の形態になってきている。市民革命が成功しても、また専制政治に戻ったり、その過程で哲学者の本がベストセラーとなり市井に出回ったり。その過程をみていると、体制について思考する機会が幾度もあったのだろうと思いました。
 それに対して日本は、領土の奪い合いはあっても、思想のぶつかり合いや新しい主義を築くためのクーデターはあまりなかったような…。一つの思想のなかで生きてきて、ある日突然民主主義が輸入され上書きされた。それは素早さはあったけど、根付くというのとはまた少し違うものだったのだろうと思いました。


 過去の読書感想はこちらに載せています。

読書会参加者に投稿いただいた読書の感想です(2022年10月-)。

 

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