参加者に任意でいただいた読書感想を掲載します。30日(水/午前)は5名、11月1日(金/夜)は5名の参加でした(主催者含む)。リベルの文化祭は延べ31名の方にご参加いただきました。おもしろい話ができました、ご参加ありがとうございました。
10月30日(水/午前):読みたい本を気ままに読む読書会
むしこさん『実践日々のアナキズム 世界に抗う土着の秩序の作り方』
本の感想では無いのですが、「推し活」とは何なのか、いろいろな観点から語り合ったのがとても面白かったです。この本を読まれた方の着眼点も大変面白くて、もっといろいろ伺ってみたかったです。
よしださん『想像力 生きる力の源をさぐる』内田伸子著
今日が読み始めですが、印象に残ったのは以下の部分です(P7)。
「五官を働かせて得た「直接体験」から抽象化された「経験」へと昇華する過程で、レジリエンス(ストレスを回復する精神的回復力)が高まってゆきます。」
正直、この記述に実感をもてるような体験は僕のなかに見出せませんでした。この本の冒頭はフランクルの『夜と霧』の紹介から始まります。『夜と霧』では、ナチスによる強制収容から生き延びたフランクルが、どのような人が生き残りどのような人が亡くなっていったのか記しています。そこには、精神面が生死を分かつ確かな記述がありました。読んでから時間が経っているので記憶もあやふやですが、外的な(絶望的な)世界に翻弄されるばかりでは生きられず、内的な世界を生きる時間をもち続けられた人が生き残ったような記述があった気がします。その内的な世界を形成するのが「経験」であるということなのでしょうか、あるいは形成した内的な世界自体が「経験」であるということでしょうか。想像力を生きる力と結びつけて考えたことがなかったので、興味深く読み進めていきたいと思います。
11月1日(金/夜):読みたい本を気ままに読む読書会
野中さん『男性危機』
伊藤さんによるジェンダー平等政策の解説が非常に秀逸だった。
yuさん『カラマーゾフの兄弟3』 ドストエフスキー
三部ゾシマ長老が死に人々が詰めかけて奇跡を待ち受けているところにありえないことが。聖人からは腐臭がしないはずが・・・。町中の人が注目している、人々は退屈していたのかなと感じました。
11月3日(土/午前):〈リベルの文化祭〉ドストエフスキーとその作品の魅力
yuさん
マルメラードフの「自分は神に許されないと思っているからこそ神にゆるされる」は親鸞聖人の「悪人正機説」に通じるものがあるなと感じました。マゾッケがないと読めないのではという意見が面白かったです。少年イリューシャの飼い犬の名前はなんだったか昨日から考えていました。「貧しき人々」「地下室の手記」「悪霊」・・ドストエフスキーを読むきっかけになりそうです。
jscripterさん
ドストエフスキーはずーっと気になっているが、なかなか読めない作家です。問題意識をどう持つかに掛かっているのですが、今回の読書会に参加させていただいたおかげで、少し見えてきました。「悪霊」をまず読んでみると同時に、ニーチェの書簡集にドストエフスキーが出てくるそうなので、そちらも当たってみようと思います。
よしださん
僕はドストエフスキーの作品を読んだことがありませんが、おもしろくみなさんのお話を伺っていました。印象的だったのは、やはり(?)「なぜドストエフスキーを読むのか?」→「頭がおかしくなりたいから」という意見でしょうか。話が長くて、それぞれの登場人物のなかに矛盾があって、所作もおかしかったりするから頭がおかしくなる?ようです。その矛盾と複雑さに徐々にシンクロしていくということでしょうか。僕も科学書なり哲学書なりで常識を覆されたときに呆然としながらも楽しいと思ってしまう、その感覚に似ているのでしょうか。『悪霊』か『罪と罰』あたりを読んでみたいと思いました。
11月3日(土/午後):〈リベルの文化祭〉秋といえば、保存食についてシェアする会
よしださん
梅干しを漬けている人が思ったより多いかも?と驚きました。もちろん、このような会に参加される方だからというのもあると思いますが、そういえば私の実家でも漬けている…。
干し柿は甘い柿だと水分が多くて干される前に腐るから渋柿しかできないはず、などというのは初耳の知識でした。そういえば、干すことで渋みも取れるはずで(正確には皮を剥くということが重要なようですが)、渋柿の最適な食べ方として保存食・干し柿のあるのだと受け継がれる知恵の偉大さを感じました。
いずれにしても、今年も柚子胡椒をはじめ、なにか保存食を作っていきたいなと思いました。いろいろな調理法を試行錯誤の上(そして数々の犠牲も…)確立してきた先人たちに感謝です。たしかに、ふなずしを最初に食べた人はどんな感想をもったのだろうか。
11月3日(土/午後):〈リベルの文化祭〉「労働」をテーマに話し合う会
よしださん
労働という多くの人がどこかで関わる概念(?)について話しました。賃金が発生する労働とそうでない労働がある、生活の糧と割り切って労働はするけど他にやりたいことがある、そんないろいろな話が飛び交いました。
言葉としては1つなのだけど、それぞれの人が思っていることは違う。これがリアルなのであって、現実というのは本当は多様で複雑であってこれこそリアル、という感じの時間であったのだと今振り返ると思います。
過去の読書感想はこちらに載せています。
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