2024.11.25

読書会の読書感想(11/20-24)

 参加者に任意でいただいた読書感想を掲載します。20日(水/夜)は4名、23日(土/午前)は7名、24日(日/午前)は6名、24日(日/夜)は4名の参加でした(主催者含む)。
 日曜日の「質問「   」について考える時間。」の質問はこちらでした。

今まで歩いた一番長い廊下はどこでしたか

田中未知著『質問』(文藝春秋)

11月20日(水/午前):読みたい本を気ままに読む読書会

yuさん『地下室の手記』ドストエフスキー
おとこが食事会の集合時間の変更をたぶん故意にをしらされていなくて仲間にもはいれなくてきまずいけど負け惜しみを心の中で言っていて。お金もなくて。集団で歓迎されなさ過ぎて男の立場になってしまい、いたたまれなくなりました。

11月23日(土/午前):読書のもやもやについて話す時間

 今回のテーマは「本によって学び考えることと、身体的体験によって学び考えることの違いは何か」でした。

よしださん
 僕が出したテーマでいろいろと考える時間になってありがたかったです。
 身体性とは難しい概念です。その難しいというのは言葉で表現できにくいとも言えるのかもしれません。400mを全力で走ると疲れます。しかし、それは言葉で言うと「疲れる」ですが、そこには収まらない疲れがあります。苦しい、吐きそうとか、そんな感じですが、しかしながら実際に体験しないと分からないだろうと思ったりします。
 先日友人と話していて、nature positiveという言葉が出てきました。今の気候変動問題と関連して、これからはnature positiveとあることが重要だろうということです。nature positiveとは初めて聞いたので真意は分かりませんが、それと身体性を結びつけてこんなことを考えました。
 nature positiveの一つのあり方は、気候変動で産業も日々の暮らしも影響を受けるから自然の偉大さを自覚して共存していこうとする、人間の利を考えてのものです。これを仮に功利主義的nature positveと呼んでおきます(あくまでも僕による区分けです)。一方で、日々虫や植物なんかと戯れていて、そこに美しさやかわいらしさを感じることもnature positiveであると言えると思います。こちらは審美主義的nature positveと呼んでおきます。自然が人間に利があるからとか関係なく、自然やそこに生きる生物の存在自体を大切だと感じるこころのあり様です。
 どちらのnature positiveも、自然と共生しよう、自然や地球を大事にしようという結論は同じだと思います。しかしその動機は明らかに違います。そして、なんとなく、功利主義的nature positiveは本で学び考えることによって、審美主義的nature positiveは身体的に学び考えることによって得られる主義・価値観なのではないかと思っています。草木を分けいり、ミツバチが花に入り込んで蜜を採集しているところを見る。それを見てかわいいと思う。これは図鑑でもその感覚を抱くのは難しく、やっぱりミツバチと同じ環境に身をおいて、刺されないように慎重に近づいてじっと観察するからこそ得られることではないかと思っています。
 何が言いたいかというと、本から得られることと身体的に得られることとはやっぱり違っていて、そこから生まれる価値観やものの見方も違うのではないかということです。双方は補完し合うという意見も出て確かにそうだと思います。ただ、補完はし合うのだけど、違う。身体的にしか得られないものはあるし、本からしか得られないものもある。そんなことの正体を追ってみたいなと話していて改めて思いました。

11月24日(日/午前):読みたい本を気ままに読む読書会

Takashiさん『内田百閒』内田百閒(ちくま日本文学)
 私は内田百閒を初めて読みました。本書は短編・随筆集で、今日は夢の話みたいなものを幾つか読みました。これは何の比喩だとか、筆者は何を言いたいのかとか、難しいことはきっと他の人がやってくれていると思うので、私はそういうことは考えずに文章をゆっくり読みました。ひとつ引用します。

「高い、大きな、暗い土手が、何処から何処へ行くのか解らない、静かに、冷たく、夜の中を走っている。」(『冥途』より)

 土手が夜の中を走っているように見えるのか~、なるほど~、みたいな感じが面白かったです。

11月24日(日/夜):読みたい本を気ままに読む読書会

yuさん『巫女の死』デュレンマット傑作選より
光文社古典新訳文庫。オイディプス王の神託の裏話。確かにそうよね。その神託どうなの大丈夫なのという。今日読んだところは、デルポイの女司祭が過去に行った神託が真実となり、それがあの神話だったという。自分の神託を忘れていたというところ。「おまえの神託はまこととなった。私は父ライオスを殺し・・」巫女は絶対ないなと思いながら神託をくだしていたのだった・・

参加者で大江健三郎を出版順に読んでいる方がいました。


過去の読書感想はこちらに載せています。

読書会参加者に投稿いただいた読書の感想です(2024年10月-)。

 

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