
参加者に任意でいただいた読書感想を掲載します。26日(土/午前)は4名、27日(日/午前)は5名、27日(日/夜)は5名の参加でした(主催者含む)。
土曜日の「質問「 」について考える時間。」の質問はこちらでした。
意味するものとされるものは常に一致していますか
田中未知著『質問』(文藝春秋)
4月27日(日/午前):読みたい本を気ままに読む読書会
なるさん『ブランディング・ファースト』宮村岳志
チャプター1の半分くらいまで読了。
「ブランドとは柱、ブランディングはその柱を育てていくということ」という言葉が印象的でした。そのためには、柱となる「競合と違った点」を見つけ、製品(やサービス)にストーリーを付加し、育てていくのが大事だそう。でも、実際はなかなかこの通りに難しいな、というのが全体を通しての感想です。
「強みや尖ったところって自分のプロダクトだからこそかえって気づかないのかもしれないね」という他の参加者さんのご意見に納得させられました。プロダクトの作り手としては全部が「良いもの」のつもりで作ってたり、思い入れが強い箇所があるから、客観的に見た強みを見つけるのがまず難しいのかもしれません。
4月27日(日/夜):読みたい本を気ままに読む読書会
Eimiさん『楽園への道』 バルガス=リョサ
バルガス=リョサについてなんの前情報も無かったので検索してみたら今月お亡くなりになっていたことを知りました。
色々な発言が取り上げられてきた方のようですが、近年にフェミニズムについての批判をされたようですが、この小説の2人の主人公のうち片方のフローラは確実にフェミニストだと思います。
リョサが描いたフェミニストのフローラと、リョサが批判したフェミニズム…。
早くも「ほほう、興味深い」と思いました。
そのフローラともう片方の主人公のゴーギャンとに温かい眼差しを送るような文体で進むお話は章に分けて交互に2人を描いています。
画家のゴーギャンは知っていますが、社会活動家の祖母のフローラについては全く知りませんでした。
巷で「怒りん坊夫人」と呼ばれてしまっているエネルギッシュで孤軍奮闘するフローラに「頑張れ〜」とエールを送りながら読んでいます。
ゴーギャンの方はタヒチに来たけど生活が成り立たずフランス人に帰国するのに、またタヒチに行ってるみたいですね。
祖母の血は孫にどう受け継がれたのか、これまた楽しみです。
読書会の後の雑談で長編小説について話題になりましたが、やはり生きてるうちは『ユリシーズ』と『失われた時を求めて』の読了を目指したいと思いました。
Takashiさん『NEXUS 情報の人類史』ユヴァル・ノア・ハラリ
まだ上巻の途中までしか読んでいませんが、「情報の人類史」のタイトル通り、情報という切り口でサピエンス全史で語れなかったことを論じた本のように思えます。
今日読んだところは、印刷技術について。
印刷技術は聖書をカトリックから解放したという技術の勝利としてよく挙げられますが、同時に魔女狩りも広めてしまった負の側面もありました。
根拠がない情報であっても、大量にそれが出回って、多くの人によって情報の補強が繰り返されれば人々はそれを信じてしまいます。中世で魔女狩りが信じられたのと同じように、現在私が信じているものは、ひょっとしてマスコミやSNSによって広められた根拠のない何かかもしれないと思いました。
yuさん『イギリス人の患者 』マイケル・オンダーチェ
土屋政雄 訳
イギリス人の患者は第2次世界大戦の終わりごろのイタリアの山の中腹にある廃墟のような屋敷で暮らすイギリス人の患者と看護師の話です。今日読んだところは看護師のハナの古い知り合いの元泥棒が訪ねてきて古い記憶を思い出しているところです。
風や自然描写が細かくあり登場人物は女・男と表現されています。諦めと不確かさとが感じられるようでした。
過去の読書感想はこちらに載せています。
〈読書会について〉
事前読書のいらない、その場で読んで感想をシェアするスタイルの読書会を開いています。事前申込をあまり求めない、出入り自由な雰囲気です。スタンスや日程などについてはこちらをご覧ください。