質問「泣くことも快楽のうちでしょうか」
『質問』田中未知著
質問の時間では、人というのは泣くことを欲している存在なのだなあと皆さんのお話を伺いながら感じました。それだけこの社会は泣きたいときに泣けない場になっているのかもしれません。つらくてもつらくないように、周囲と同じように楽しんで見えるようにと不調和な日々が続いた先に、気がつくと泣けない自分になっていても不思議なことではないと思います。
そんな余韻を感じつつ入った読書会では、「新型うつ病」の話題が上りました。親や社会からの要請に応えようとしてきた成育歴との関連や、自分の好き嫌いがわからない、わかるまでに自我が育っていないことがベースに見られるという解釈があることを知り、冒頭の話と照らし合わせて考えずにはいられませんでした。
以前、「泣くには一定の余裕が必要」という話を保育学の本で読んだことがあります。子どもにとって泣くことのできる環境がちゃんと与えられていることが大事であるのと同様に、大人にだって心と体を一致させて表現できる体験が求められているのかもしれない、なんてことを考えました。
(tetsu)
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