2021.02.14

読書会の話。開拓欲はどうしよう。

 昨日はマルクスの「資本論」を題材にした読書会でした。原著はとても重厚な本なので、関連しそうな本であれば何でもいいということで開きました。読書時間はいつもより短い30分としたので、読書後の感想の時間ではゆっくりと話し、他の人の話も聞けたように思います。

 着目点はそれぞれに異なりましたが、比較的共通して出ていた感想としては、資本主義どっぷりな価値観やシステムに生きている中で、脱成長を中心に据えることができるのだろうか、イメージがなかなかしにくい、ということだったように思います。
 私は『人新世の「資本論」』を読んでいたので、その本を介した理解になってしまいますが、概ね「資本論」の目指すところには同意できるように思っています。先進国で裕福に生きるために途上国に負担を押し付けている状況が不公平であること、福祉などの不可欠な仕事の労働環境や賃金がもっと厚遇であるべきこと、必要以上に消費を喚起する供給側に働く原理を見直すべきこと、気候変動を抑制するためにはあまり時間が残されていないことなど、書かれていることには同意できました。

 でも、開拓欲はどうしよう、とも思いました。あっちに行けばおもしろそうだから行ってみるとか、せっかくだからもっと大きくしたいとか、からだに悪そうだけどそんなものをあえて食べてみたいとか、そういう必要性を超えたある意味では不合理な欲をもつことは許されるのだろうかという一抹の不安も覚えました。平和で安全なのはいいけれども、それだけではつまらないような気もします。あるいは、自分がそういう欲をあまり持っていなくても、世界のどこかでそういう欲をもってバラ撒いている人がいるから、自分のバランスもとれているような気もします。読み終えたあとは、なんだかそういう根拠のない漠然とした不満のようなものを覚えました。
 そういう、何か物足りないということを感じることも、大事なのかもしれません。今とは違う脱成長に向かうのであれば、その新しい世界もおもしろがれる気がしますし、足りないと思うところは自分たちなりに補う方法をつくることもできるようにも思います。そんな漠然とした読後感でした。次の世界に少しずつ想像を膨らませていきたいと思いました。


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(吉田)

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