8年間かけて、一つの問題を解いた数学者がいます。アンドリュー・ワイルズです。彼は、8年間一本の論文も書かなかったと言います。
解いたのはフェルマーの最終定理です。聞いたことがあるかもしれませんが、こんなことを証明する問題です。
「3以上の自然数nについて、x^n + y^n = z^n となる自然数の組(x, y, z)は存在しない」
さて、この事実を知って、みなさんはどんなことを思ったでしょうか。
私は、8年間成果なしってどんな胆力なんだとか、こんなシンプルな問題に向き合い続けるってどういう神経しているのとか、そんなことが頭に浮かびました。
そして、おそらくすごいのは、その考える技術です。
ずっと一行の問題を見続けて唸っていたわけではなく、問いを分解したり、見方を変えるために何かいろいろやっていたのではないかなと思います。壮大だけどシンプルな問題に向き合うには、どのような過程や技術が用いられるのか、想像にも及びません。しかし、8年間も一つのことを考え続けた人がいるということに、考える技術は存在するのだと確信せざるをえません。
それにしても、8年間一つの問題に向き合い続けるって、本当にどういうことなのでしょう。考える技術も存在するし、そのような人も存在する、ということだけは分かりました。
〈参考〉
1.画像元のフリー写真提供者:https://www.photo-ac.com/profile/679138
(吉田)