2021.04.02

他面にひそむ価値。 ー読書会の話

 乗って遊べる車のおもちゃを子どもに渡しても、車をひっくり返して、ただひたすら車輪を回していたりすることがあります。いよいよ乗ることに興味を持ったかと思ったら、今度は、シートの上に立って両手放しで喜んでいました。他にも、お金を払って買った(本当はもらった)おもちゃよりも、ペットボトルのフタをひたすら穴に入れる遊びを、何度も何度も繰り返していたり。こっちが考える価値など、すんなり受け入れるような相手ではありません。まあいいのですけど。

 先日の読書会では、読んだ後の感想のシェアの時間に、価値などというものは自分では図りきれないものだなと思いました。少しだけ紹介したいと思います。

 『ダメをみがく』という本を読んでいる方がいました。内容や感想をシェアしていただいた中で印象的だったのは、「ダメであっても、人生の経験を積んである程度の時期を越えたら、教える側に回った方がいい」というものでした。ここでいう「ダメ」というのは社会の成功モデルのようなものから外れていることを言っているのだと思います。
 この話を受けて思ったことは、「そういえば、決して成功している話ばかりを聞きたいわけではないな」ということでした。成功している話ばかり聞いていると、自分と対比して疲れてしまうことがあります。それに、斜に構えたような言い方になりますが、成功などというのは、ある一瞬の場面の切り取りにしかすぎないでしょう。その一瞬の場面の前後や背面では、みんな苦労しているはずです。
 人生の少なくない部分を占める、なんだかうまくいかないところが共有されていくのはいいことのように思います。感覚的ではありますが、そういうことを教えてもらう方が自分の地固めになって、基礎となるような気もしないでもありません。うまくいかないことを普通と捉え、踏ん張りがきくようになるような気がします。
 自分にある価値などというものは、おそらく自分だけで推し量れるものではないのでしょう。発信者という立場にたった時、成功者ではないダメな自分のことなど誰が知りたいと思うだろうか、と感じるかもしれません。しかし受け手の立場にたった時には、必ずしも成功者の話ばかりに価値があるわけではないと思われます。今回の読書会では、物事に付随させる価値は、思い込みで狭めてしまってはいけないのだと思いました。


〈読書会について〉
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(吉田)

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