昆虫や小さな動物の寿命の短さを聞いて、なんてかわいそうなんだろうと思っていたことがありました。たとえば、カブトムシの寿命は数ヶ月程度、ネズミの寿命は1,2年程度であるとされています。ようやく生まれたかと思えば、子どもを産んで死んでいくのです。
しかし、こうも考えられます。寿命が短いということは環境変化に対応しやすいということです。
生物の形質の変化は、生まれ変わる時の突然変異によって起こります。稀に起こる突然変異が環境に適応していればその個体が生き残り、新たなスタンダードとなっていくのです。ただ、変異が環境に適応していなければ生き残ることができず淘汰されてはしまいます。
寿命が短いということは突然変異が起きるサイクルが短いということを意味し、変化に対応しやすいということが言えます。反対に寿命が長ければ、周辺環境が変化しても突然変異のタイミングがないため、変化に対応しにくいのです。
寿命が短いとは「弱さ」を連想させますが、状況によっては生き残る「強さ」を発揮します。変化の時こそ、早く生まれ変わることや多産多死であることは、生き抜くためには重要であるようです。
〈参考〉
・画像元のフリー写真提供者:https://www.photo-ac.com/profile/902792
(吉田)