2020.06.14

読書会の話。「時間どろぼう」の正体が分かってきました

 読書会では、最近は「読む」と「聞く」が半々くらいの感覚になってきました。読むのは、自分で持ってきた本をもくもく読む時間。聞くのは、来てくれた人がシェアする内容を聞く時間。たまに、質問もしてみたりして、考えを深めることもできます。
 聞くのはなかなかおもしろくて、何分かごとに話題がさくさくさくと変わっていくのですが何かが残っていく感覚はあります。いつかここで聞いた話が、次の関心事や、気づきや発想につながっていけばいいなと思っています。

 私は、昨日は『絵画の歴史』を、今日は『モモ』を読みました。『絵画の歴史』は、、、まだ修行が足りず、うまく解釈できませんでした。思ったよりもディテールの話でしたが、こういうのを読み重ねていけば、何かおもしろいことになるのかなという期待感はありました。

 『モモ』は相変わらずおもしろいです。
 今日はようやく「時間どろぼう」が出てきました。時間どろぼうが町の人の生活に介入して、どんどん効率的で無駄がない時間の使い方に変わっていくという話です。町の人は、仕事もプライベートも時間効率を高めていくのですが、なぜだか時間がなくなっていきます。時間を倹約しているはずなのに、時間がなくなっていくのです。

 私の話になりますが、前にこんなことがありました。
 IKEAの家具の組み立てを意外と難しくて面倒だと思っていた私に対して、レゴのようで楽しいと言う友人がいたのです。組み立てる過程自体を楽しんでいる友人にとっては、その時間は有意義なものとなります。
 それに対して完成させることしか頭にない私にとっては、組み立てる時間はあまり意味のない時間になってしまいます。過程を楽しんでいないということは実はすごい損をしているのではないかと、このとき感じました。

 時間どろぼうは、町の人が意味を感じていた時間に無駄だというレッテルを貼ることで、時間を奪ってしまったのかもしれません。要所に身に覚えることがあり笑えない内容でもあるのですが、児童文学だからかあまり苦しまず(?)に読み進めることができます。
 この先は、モモが奪われた時間を取り戻していくようなのですが、どうやって取り戻すのでしょうか。


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(吉田)

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