2020.06.29

考えるとは問いを抱えて生活すること。

 私が密かにフォローしている哲学者の野矢茂樹先生は、著書『はじめて考えるときのように』の中でこんなことを言っています[1,kindle214]。

「考える」っていうのは、耳を澄ますこと、研ぎ澄ますこと。

「あ、これだ!」という声にその人は耳を澄ましている。

 考えるとは、自分なりの疑問や問いを頭に放り込んで、その状態で本を読んだり、散歩したり、買い物をしたり、食事をしたりと、普段とはそれほど変わらない生活をすること。端からみていると、考えている人と考えていない人の違いはあまり分からないし、どんな問いを抱えているかも分からない。でも、考えている人というのは「あ、これだ!」に耳を済ませて生活をしている。そんな風に著書を読んで解釈しています。

 ここで大事だと思ったことは、疑問や問いにすぐに答えを出そうとしなくていいのだということです。問いが生まれてすぐにその場で答えが見つかる必要はなく、それを頭に抱えてしばらく生活するのです。
 その答えが出てくるのが明日なのか、来週なのか、来年なのかは分かりません。研究者なんかは、10年越しで問いに答えを見つけるなんてことも珍しくないのではないでしょうか。
 でも、ちょっとそれも辛い。2,3日で答えが見つかることを期待して、自分なりの問いを一つ頭に放り込んでみようと思います。


〈参考〉
1.野矢茂樹著『はじめて考えるときのように ー「わかる」ための哲学的道案内』(PHP文庫,2004)
2.画像元のフリー写真提供者:https://www.photolibrary.jp(photolibrary)

(吉田)

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