質問「百ワットの光源はどこまで明るさをバラまくでしょう」
『質問』田中未知著
もしかしたら百ワットという明かりがまだ珍しかった頃、家庭用の光源として出たての頃に考えられた質問なのではないかというところから話は始まりました。「なんだこの明るさは!?」という驚きが、たとえばちゃぶ台を囲んだ居間で繰り広げられていたかもしれない頃ということです。
そして質問には「バラまく」という表現が使われています。バラまくというのはなんとなくネガティブなときに使う言葉のような気がします。ということは百ワットの明るすぎる光源は、驚きとともに少なからず迷惑だったということが暗に込められているのかもしれません。そんな想像をしながら話は進みました。
明るすぎて困るもの、それを人に例えると明るすぎる人、明石家さんま。
そういえば、さんまさんはテレビで若手から、いつも元気すぎておもしろ過ぎるからもうやめてくださいみたいなことを言われています。テレビに映っているときだけでなく、街中でもサインを求められればサインしまくるからもうやめてください。さんまさんくらいビッグな人がそうしていると、自分もそうしないと決まりが悪いのだと思います。
百ワットの光源が10畳くらいの部屋を隅々まで照らせるくらいの明るさだとすれば、夜でも部屋から暗いところが失くなります。暗いところに駆け込めなくなる、あるいは影を出すことが出来にくくなる。
今はインターネットがバラまかれすぎていて、例えばいつでもメールやデータを受け取れてしまって困ることもあるのでしょう。それと同じように、明るさがバラまかれ過ぎることによる困惑もあったのかもしれないなと思いました。
(よしだ)
(カバー画像出典元)
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