参加者に任意でいただいた読書感想を掲載します。5月29日(土)は10名、30日(日)は4名の参加でした(主催者含む)。
5月29日:読みたい本を気ままに読む読書会
ともさん『コーヒーで読み解くSDGs』
コンビニコーヒーが他より安いのは何故なのか、どう言う流通なのかがさらに疑問にのこりました。セブンイレブンはフェアトレードにも力を入れてきている会社ですが、どうやっているのか…
コーヒーとジェンダーの関連のところで時間が来てしまったので、どのように平等にしていくのかを学べるかなと思いました。
yuさん『訴訟』
会社の人の特徴を考えながら読書をされている方があって、参考になりました。訴訟はカフカ未完の書で、銀行員のヨーゼフがある朝とつぜん逮捕されてわけのわからないまま窮地に追い込まれていく話なのですが、私たちの認知ってどこまで正確なのかななどと思って読みながら、哲学的だと思っていたら翻訳者の方がニーチェやヴィトゲンシュタインの翻訳もされていたのでなんとなく納得しました。
Takashiさん『死に至る病』
哲学書は、自分の生活のもやもやについて色んな考え方を示してくれる。しかも世界が認めた超一流の先生のマンツーマン指導だ。
私が実生活で「この人めんどうくさいなあ」と思ったとして、どこが面倒なのか、その人に隠されたものは何か、何故私はめんどうだと感じるのか、私の中の誤解やごまかしは何か等々を哲学書は教えてくれる。
決めつけと思考停止に陥ると試合終了だ。更には陥ってる事に気付けない場合もあるだろう。哲学書との会話と、めんどうくさい人との会話と、自分自身との会話はずーっと続けていった方がいいと思う。それはそれで、めんどうくさいけど。
てらもっち7等兵さん『わたしが行ったさびしい町』(松浦寿輝)
歳をとったと思う。
旅に楽しさだけを求めず、、、いや、そうではない。
旅の中で感じる、寂しさの一瞬を愛せる歳になってきた。
一瞬の感情は思い出に残る。
それは嬉しさ、悲しさ、怒り、達成感、リラックス
それを求めるだけでなく、
ふとした一瞬に感じる侘しい、寂しい、そんな
求めていない感情も、愛おしく感じる。
松浦さんが描く異体験は、やや金持ちの傲慢さを感じるものではあるが、
でも、自分が経験してきた旅のなかでの寂しい一瞬と重なる。
寂しい環境で起きる経験の一瞬の光。
ペスカトーレに似た名前のペスカーレという小さな町で、
大きなゴールデンリトリバーに少女が手を伸ばす。
犬は彼女の手を舐める。
その光景の美しさ。
ドイツのハンブルグのトルコ人街で見た市場の片隅に売られていた
東欧製のおもちゃ。
未来への期待に身を預けるだけでなく、過去の複雑な感情を咀嚼できる
年齢になってきたということか。。。。。
さて、昨日SDGSについて批判的な文章を読んだ。
・SDGSは理念は素晴らしいが、あまりにも道具を並べすぎたため、資本主義が都合の良いところどりをして、企業のシステム化の道具になってしまっている。
・スローフード活動というのは、本来、生産者と消費者の距離を縮める、地産地消的な活動だったが、これもまたスーパーなどによって、健康ブームの道具にされてしまっている。ロハスというのは、アメリカの大手スーパーのウォルマートが作ったフレーズで、コマーシャル的側面が強い。売るためのフレーズ。
・ナチュラル志向というのは、人類世界のために環境を良くする。ぐらいであればいい。だが、人類と環境との共存。環境重視のアミニズム。環境を優先し、人類はそれに属しているのだが、最悪滅んでもいい。となっていくと、ニヒリズムにいたり、豚を殺して食べている人間が、人間が人間を殺しても問題ない。という戦中のドイツの考え方に近くなっていくので気をつけるべきという内容。
二次大戦前のドイツの状況は、社会主義、共産主義やら、格差であるとか、自然主義とか流行った時代で、確かに今もそんな時代ではあるなぁと思いながら、上記内容を咀嚼中。
5月30日:テーマのある読書会「無意識」
Takashiさん『道徳の系譜』(ニーチェ著)
想像するに、カント先生の講義は張り詰めた空気で雑談冗談一切なし、キェルケゴール先生やショーペンハウエル先生の講義は苦虫を噛み潰した表情のまま何だか面白いことを言う。ではニーチェ先生は? ニーチェ先生は表情豊かで身振り手振りも大げさな汗だくの講義をするに違いない。
「弱きものこそ善である」というユダヤ教キリスト教の価値観をひっくり返すところから空前絶後の講義の口火が切られる。うまく説明できないが、お笑い芸人の皆さんはニーチェを読むといいんだろうなと思った。
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(吉田)