2020.11.09

読書会の話。エントロピーと純粋意欲と自己実現。

 一昨日と昨日は、読みたい本を気ままに読む読書会でした。参加いただいた方に、読んだ本の紹介や読書の感想をいただきました。
・いただいた読書の感想:https://note.com/liber_community/n/nb55ffa0e9cb8

 一昨日は思いがけないような話題のつながりが生まれました。
 エントロピー増大の法則というのがあります。万物は、秩序のある状態から無秩序の状態へと移行していくとする法則です。なんだか難しそうですが、例を聞くと身近に感じられる法則です。例えば、赤い液体と青い液体を混ぜれば自然と混ざり合って紫になっていく、赤と青に分けられた秩序的な状態から無秩序になっていく、とか。もっと生活感のある例では、部屋は放っておくと散らかっていく、ということもエントロピー増大の表れとして挙げられることがあります。

 この法則と絡んできたのが、「純粋意欲」に基づく仕事をどうすれば見つけられるのかということでした。純粋意欲とは、人に言われたからとか褒められたいからとかではなく、自分の中にあるもっと純粋な意欲のことのようです。そんな意欲にもとづく仕事を見つけられたらいいのですが、それがなかなか難しいよう。なぜなら、自分でこれをやりたいと思っていたとしても、実は過去に誰かに勧められたからとか人に認められやすそうだからとか、様々な感情が絡み合っている可能性があるからだと言います。自分の純粋意欲が本当はどこにあるのか、そこにたどりつくには、純粋意欲以外の意欲を認識し分別していかなければいけないようです。

 おそらく年齢や経験を重ねるほど、自分の意欲は多重的になっていきます。言い換えると、無秩序になっていくということであり、エントロピー増大の法則に当てはまりそうでした。どんどん複雑で多重的になっていく自分の意欲。それが良いか悪いかはさておき、エントロピー増大の法則を頭の片隅に置いておくと、本当の純粋意欲はどこにあるのだろうか?と解きほぐしながら探すことができそうでした。

 私は引き続きマズローさんの本を読んでいましたが、マズローさんの言う自己実現とは、純粋意欲に近いことなのかななんて思いました。だとしたら、自分に絡みついた複雑な何かを解きほぐしていけば、自己実現的な欲求を見つけられるということなのでしょうか。
 ちなみに、今回読んだ中でおもしろかったところは、自己実現の欲求に到達するには年齢を重ねることが必要であると前置きしながら、「モーツァルトでさえ三〜四歳まで待たなければならなかった」と書かれていたことでした。マズローさんはおもしろ半分でこんなことを書いたのでしょうか。モーツァルトはすごいのですね。
 モーツァルトはどうか分かりませんが、音楽家の性格は破天荒な人が多いイメージを持っています。そういう性格的な激しさやキテレツさと、自己実現に至れるかどうかは別の問題なのかどうかも気になり出しました。なんとなく自己実現している人は性格が穏やかなイメージを持ってしまいますが、どうなのでしょうか。性格的な表れと自己実現の関係も気になり出しています。

 今週末は、土曜日は読みたい本を気ままに読む読書会、日曜日はリベルのブックレット『サンゴの選択 〜小さな力で一つの世界を創る方法〜』を使う読書会です。サンゴの生態系の作られ方から、協力・共生や、その先に作られる世界について考えてみているブックレットです。お待ちしています。


〈読書会について〉
 事前読書のいらない、その場で読んで感想をシェアするスタイルの読書会を開いています。事前申込をあまり求めない、出入り自由な雰囲気です。スタンスや日程などについてはこちらをご覧ください。

(吉田)

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