2020.08.30

読書会の話。国家とか政治とか資本主義とか

 昨日・今日と参加者それぞれが読みたい本を持ち寄るもくもくオンライン読書会でした。いつも通り、10時5分くらいまでにパラパラと集まり出し、本の紹介をして読書をし、感想をシェアしました。

 おそらくですが、みなさんこの時間がなければ読まないような本を持っているような気がしており、おかげで馴染みのない話題になります。私は「ハンナ・アーレント」を読んでいますが、このような機会がなければ、面白そうだと思うけど積読になる本だと思います。

 さて、今回もそのような流れで、国家とか政治とか資本主義とかの話題の本の持ち寄りでした。たとえば、こんな本の内容でした。

 国家が衰退するのは、自由主義・民主主義的な包括的制度ではなく、頑張っても権力に奪われる収奪的制度に向かうからだ。では、なぜ収奪的制度に向かう社会と包括的制度に向かう社会に分かれるのか、その分岐点は何か。
 それは実は小さなことで、国家が転覆するような下克上できるような激動の節目が訪れた時に、下層階級の人たちの間に結束するための組織があるかないかがその要因の一つだと考えられるようだ。組織化が少しでもされていた社会は下層階級が結束して包括的制度に向かい、そうではなくバラバラな社会は収奪的制度のままになってしまう。

 とても難しく馴染みのない内容なのですが、いくつかの点で興味を持つことができました。それは、「全く異なるように思える国家制度でも、そこに至る際の分岐点はとても小さなものだった」「何らかの転覆を狙うのであれば激動がくる前に準備を進めておく必要がある」という点です。
 国家などは出来上がったものを見ると大きすぎて圧倒されますが、さかのぼってみると意外と小さなきっかけで今の方向に向かってきたというのは希望に思えることかもしれません。そのような俯瞰的な気づきを得られるのが歴史分析の面白いところなのかもしれないと思いました。次はそっち方面の本でも読んでみようかと思ったりしています。

 それにしても、国家のことを本で学びながらも、考えることは国家のことではなく自分の関心事です。別に何かの転覆を明確に狙っているわけではありませんが、そんな野心もいくらかは持っています。全然違う側面から、自分の関心事や野心を見つめられるのも、積読のような本を手にとってみる利点なのかもしれません。

 来週は土曜日は読みたい本を持ち寄る読書会、日曜日はリベルのブックレット『遺伝的探訪 〜“自分の”才能の見つかり方を考える〜』を使う読書会です。一人一人に違う持ち物である遺伝子の視点から、自分にできること・自分がやりたいことはどのように見つかっていくものなのだろうか、ということを考えてみています。
 本自体は今度の土曜日にリリース予定となっており直前になってしまいますが、ご興味持たれた方はご参加をお待ちしています。当日の時間内に読み切る必要はありませんし、興味がありそうな部分だけのつまみ読みでも結構です。自由にお過ごしください。


〈読書会について〉
 事前読書のいらない、その場で読んで感想をシェアするスタイルの読書会を開いています。事前申込をあまり求めない、出入り自由な雰囲気です。スタンスや日程などについてはこちらをご覧ください。

(吉田)

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