2020.10.05

読書会の話。「弱さ」とはどのようなものなのだろう

 一昨日は各々が読みたい本を持ち寄る読書会、昨日はリベルのブックレットのテーマを考える読書会でした。一昨日の話は、参加いただいた方に読書の感想を投稿してもらったので、もしよければそちらをご参照ください。
読書の感想

 ここでは昨日の話を少しだけ。
 昨日は初めての試みとして「ブックレットのテーマを考える読書会」を開きました。このような読書会を開くことにしたきっかけは、こちらに書いてみました。
「ブックレットのテーマを考える読書会」を始めたきっかけ

 今回は「弱さ」をテーマの種として、参考図書も定めた上で行ってみました。参考図書は、『〈弱いロボット〉の思考 ーわたし・身体・コミュニケーション』としています。

 弱いロボットとは、人間の作業などを代替してくれる高機能のロボットというよりも、なんだか頼りないから人間側が助けたくなっちゃうようなロボットです。そんなロボットに何の意味があるのかと思ってしまうかもしれませんが、弱いロボットは、コミュニケーションを引き出したり、人の協調的な行動を促したりすることにつながります。
 例えば、自分ではゴミを拾い集められないけど、身体をかがめたりすることでゴミを探している様子をイメージさせることができる「ゴミ箱ロボット」は、子どもたちの気を引き、ゴミを拾うことや、さらにはゴミの分別まで促します。

 今回の読書会だけでは、「弱さ」とは何なのかという核心には迫れませんでしたが、イメージは持つことができました。
 そのイメージとは、場にあることで、気になって仕方がなくなり、話しかけたり手を差し伸べたりという行動を促したり、周りの人の主体性を引き出したりするようなものなのではないかということです。一言でいうと、放っておけないから周りの人が動いてしまう、ということです。
 また、参考図書の全体として、そもそも私たちの姿や行動は、個体そのものだけでは完結していないというようなことも書かれていました。周囲の状況や、その次の行動によって初めて明らかになるというようなことのようです。この部分はまだ咀嚼しきれていませんが、これから分かっていきたいと思っています。

 参加者からは、こんな話を紹介してもらいました。
 それは「七人の侍」の中の一人は実は少しだけ弱い侍で、その人を助ける過程で他の強い六人が結束していく、というような話でした。確かに、最強の七人であれば、お互いに協力する意味を見出しにくそうだと感じました。弱い存在がいることで初めて協力関係が生まれ、思わぬ力の発揮につながったりすのかもしれないと改めて思ったりしました。

 また、弱さがあった方が場がうまく回るのであれば、これまで表に出さないようにしていた弱さも、実は表に出した方がいいのではないかとか、場にとって意味の深い特性なのではないかということも考えられます。強さはポジティブで弱さはネガティブなものという印象がありますが、その解釈はちがっていたのかもしれないということです。

 今回は初めての試みで、正直少し迷走気味の時間になってしまったかもしれないとも思っています。
 考えるとはある意味では迷走することではあると思いますが、迷走をそのまま持ち帰るのは辛くもあるので、いい考える時間だったと言えるように試行錯誤していきたいと思います。


〈読書会について〉
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(吉田)

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