参加者に任意でいただいた読書感想を掲載します。5月8日(土)は6名、9日(日)は7名の参加でした。
5月8日:テーマのある読書会「無意識」
ねねさん『ユングと東洋(上)』
ユングがどのようにして彼の深層心理学を深め作り上げていったのかを、彼の経験や思想、そして彼が生きた時代背景や東洋との関わりを説明しながら紹介している好著。
心理学とその理論を作り上げた人の経験や思想はやはり切っても切れないものだなと思った。
ユングは自分の中にNo1(意識)とNo2(無意識)がいて対立していると感じていた。母方からの幻視者的素質を強く受け継いでいた。
フロイトと決別し、アカデミズムの世界から見捨てられたユングはヨーガやマンダラを通じて自分のうちなる世界を探究ていく。やがて、彼の無意識と共通のものがインドやアフリカにあったことに気づいていく。
意識を持ちながらにして、無意識の海を探求できるユングがうらやましいなと思った。私は夢を見る時や、何やらひらめいた時にその存在の片鱗をほんの少し感じられるだけである。。。でも、意識を持って無意識を旅し、その構造をまとめたユングによって、我々も無意識の海はそんな風になっているのかと想像を巡らせることができる。大航海時代を読むような、あるいは宇宙の話を聞くようなロマンを感じてしまうのは私だけでしょうか。。。
yukariさん『無意識の構造』
無意識は意識できないから難しいけど興味はあるので参加しました。無意識に1900年はじめころ関心をもって研究していたユングとフロイトの考えをすこし覗き見たかんじです。ままならぬ人の心のしくみを知りたくなりました。
Takashiさん『哲学入門』(ラッセル著)
以下は本書の感想ではなく、読書会でお話した内容です。
カントは悟性(Understanding)と理性(Reason)を明確に分けます。形而上のことを考えるの理性の領分となります。
そこでもし無意識を形而上的に扱うならば、「無意識とは何か」という問いの前に「無意識はどういう風にあるのか」や「無意識という概念はどう作られたのか」を考えるのも必要かと思います。
但し、無意識という概念は広く受け入れられそれを元に色々なことが上手く説明されているので、無意識は否定されるものではないと考えます。あくまでものの見方の例として挙げました。
5月9日:読みたい本を気ままに読む読書会
遠藤さん『カラマーゾフの兄弟』
キリスト教文化はよくわからんといったところです。
祥子さん『あなたはなぜ誤解されるのか』
日々の生活で他者から受ける誤解は、非言語情報(言い方や表情、仕草)による。誤解から発生するストレスや問題を解消するために、自身の立場に合わせた「役」を把握し、演じる必要がある、というところまで読みました。例えば「この人がこう思っていたら都合が良いのに」のような、非言語情報を受け取る側の心理について、影響はあるのか気になりました。その辺りはこの先で言及されているのか……読み進めて、誤解は減らせるのか実験してみたいです。
安部公房の世界観がかなり気になったので、読んでみます。
Yさん『R62号の発明・鉛の卵』(安部公房)
言葉や文章に流れがあり、読みやすい作品だと感じました。
他の方とのお話で、モノの間の境界線が曖昧で、行き来している点が違和感につながっていたと気づくことができ、よかったです。
考えをまとめ、人前で話すということが得意ではないので、非常に緊張していましたが、話しやすい雰囲気で楽しく参加することができました。
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(吉田)